理化学研究所(理研)の小保方晴子氏らによる科学誌「Nature」に掲載された「STAP論文」の疑義に関する調査委員会委員長を務める理研の石井俊輔 上席研究員は4月24日、インターネット上で指摘されている自身が責任著者として名前を連ねる論文に対する疑義への説明をWeb上にて公開した。

理研の石井俊輔 上席研究員

これはNatureの姉妹誌「Oncogene」に2008年に掲載されたもので、内容は乳がんの遺伝子に関するもの。疑義は、論文の2つの図に、切り貼りなどを行った様子がうかがえる、というもので、これに対し石井氏は「論文の2つの図の元となる実験を同時に行い、文章で説明の順番となるように、画像のレーンの順番を入れ替えた」と説明。すでに論文誌の編集部に連絡を入れ、訂正の許可を得たとしている。

また、2004年に米国生化学分子生物学会(American Society for Biochemistry and Molecular Biology)が発行している学術誌「Journal of Biological Chemistry(JBC)」に掲載された論文についても画像の加工が指摘されているが、こちらについては「問題ないと考えている。オリジナルデータはすべて保存しているので、何時でも開示できる」としつつも、一連の疑義については、「皆様に疑念を抱かせてしまったこと、またこれにより色々なご迷惑をおかけした事を深くお詫び申し上げます」とコメントしている。

石井氏が公表した文章に添付された今回の疑義に関する資料画像