ニコンは、医学・生物分野および工業分野などに向けて、光学性能を向上させクラス最大のズーム比を実現したシステム実体顕微鏡「SMZ1270」、「SMZ1270」にズーム倍率検出機能を備えた「SMZ1270i」、また、基本性能と操作性をアップさせたコストパフォーマンスモデル「SMZ800N」を発表した。

3機種ともに色収差補正の性能を向上させた新開発のWF対物レンズシリーズを採用したことで、視野全体を色にじみなく、明るく観察することを可能にした。また、ボディ内のズームレンズに「SMZ1270/SMZ1270i」はアポクロマート光学系、「SMZ800N」はセミアポクロマート光学系を採用することで、低倍域~高倍域までスムーズでコントラストの高いシャープな観察を可能とした。

さらに、新開発のズーム光学系も搭載。「SMZ1270/SMZ1270i」は実体顕微鏡の同クラス最大のズーム比12.7倍(0.63-8X)を実現。ディッシュ全体のφ35mmを同一視野内におさめることができるため、サイズの大きな生物サンプルの全体像から細胞の微細構造まで広範な観察ができるようになった。一方の「SMZ800N」はズーム比8倍(1-8X)を実現。高精細が求められる電子部品分野等で使いやすさを発揮するという。

加えて、2本の対物レンズを別売りのレボルバー「P-RN2」に同時装着することで、対物レンズの切り替えが容易となり、幅広い倍率範囲をシームレスに観察することが可能となるほか、別売りのLED透過照明スタンドには、上位機種の研究用システム実体顕微鏡「SMZ25」「SMZ18」に搭載しているOCC照明を標準装備しており、ゼブラフィッシュなどのモデル生物の卵や胚などの観察や工業分野における透明プラスチックやガラスの表面・内部の傷、透明電極の観察などが有効的に行えるようになるとしている。

なお発売は5月7日を予定しており、価格は「SMZ1270」LED透過明視野(双眼)セットで57万8600円(税別)から、「SMZ1270i」LED透過明視野(三眼)セットで70万7700円(同)から、「SMZ800N」プレーンスタンド(双眼)セットが23万8000円(同)から、となっている。

システム実体顕微鏡「SMZ1270」LED透過明視野(双眼)セット

システム実体顕微鏡「SMZ800N」プレーンスタンド(双眼)セット