インテリジェンスはこのほど、「転職理由についての調査」の結果を発表した。同調査は、2013年10月~2014年3月に同サイトに登録した転職希望者のなかから、3万5,000件をランダムに抽出し分析したもの。

転職理由は、「ほかにやりたい仕事がある」が1位

転職理由「ほかにやりたい仕事がある」「幅広い経験/知識を積みたい」

2014年上期の転職理由調査では、「ほかにやりたい仕事がある」(13.5%、前回比+0.6pt)が1位。以下、2位は「会社の将来性が不安」(11.2%、前回比‐0.9pt)、3位は「給与に不満がある」(7.6%、前回比±0pt)と続いた。

1位の「ほかにやりたい仕事がある」の回答率は、2013年上期以来、3期連続で2008年の調査開始以降の最高値を更新。一方、2位の「会社の将来性が不安」の回答率は過去最低となり、1位と2位の差は過去最大となった。

そのほか、5位の「専門知識・技術を習得したい」(5.4%、前回比+0.1pt)や、6位の「幅広い経験/知識を積みたい」(4.3%、前回比+0.5pt)の回答率が増加し、反面、9位の「業界の先行きが不安」(2.6%、前回比-0.1pt)の回答率が減少するなど、全体として転職理由がポジティブに変化していた。

キャリアアップ志向の女性が増加傾向

女性の転職理由2位は「残業が多い/休日が少ない」

男女別の傾向では、男性は総合ランキングと大きな違いはないが、女性は2位に「残業が多い/休日が少ない」(8.1%、前回比+0.4pt)、6位に「女性が働きにくい環境である」(4.3%、前回比+0.7pt)が入るなど、男性と比較するとワークライフバランスへの意識が強い傾向が見られた。

一方、女性の転職理由1位の「ほかにやりたい仕事がある」(16.2%、前回比+2.8pt)は、回答割合、回答率の上昇幅ともに、男性を上回っており、「市場価値を上げたい」(2.6%、前回比+0.4pt)も前回14位から9位に浮上した。

全業種中、唯一「会社の将来性が不安」が1位の「メーカー」にも明るい兆し

業種別の傾向では、全8業種のうち7業種で「ほかにやりたい仕事がある」が1位だったが、唯一「メーカー」だけが「会社の将来性が不安」が1位となった。製造業では、領域や企業によって業績回復に差があり、グローバル展開に伴う国内の生産ライン縮小も続いていることが影響しているとみられる。しかし、「メーカー」においても、「会社の将来性が不安」(16.2%、前回比-1.5pt)の回答率は減少し、「業界の先行きが不安」(4.0%、前回比-1.0pt)も前回5位から今回8位に順位を下げるなど、明るい傾向も見受けられた。