川崎重工は、鉄道・運輸機構向けフリーゲージトレイン新試験車両(FGT新試験車両)をJR九州の熊本総合車両所に納入したと発表した。19日にプレス公開が行われ、20日未明から走行試験もスタートしている。

フリーゲージトレイン新試験車両

鉄道・運輸機構を主体に開発されたFGT新試験車両は、新幹線(標準軌1,435mm)と在来線(狭軌1,067mm)といった異なる軌間を直通運転できるよう、車輪の左右間隔を軌間に合わせて自動的に変換する。川崎重工は今回導入されたFGT新試験車両の外観デザインと、4両編成のうち3両(両先頭車と3号車)の車体および軌間可変台車の製作を担当した。

川崎重工によれば、通勤車両・高速車両をはじめ、数多くの鉄道車両の開発・製作を通じて培われた独自技術を生かし、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)製の先頭部構体や軽量タイプの特高圧電気品の採用、カーテンに代わる調光機能付ガラスの採用など、最新の技術を取り入れたという。最高運転速度は新幹線区間が時速270km、在来線区間が時速130km。車体寸法は先頭車が22.825m、中間車は20.0mとなっている。