大日本スクリーン製造(SCREEN)は4月21日、スマートフォンやタブレット端末のタッチパネルなどに使用される透明電極の回路パターンを光学的に可視化し、欠陥箇所の特定や回路の線幅測定を可能にした透明電極モニタ装置「TM-1C」を開発したと発表した。

近年、高機能なスマートフォンやタブレット端末などの需要増加に伴い、より薄型で高精細なタッチパネルが求められるようになり、透明電極の回路パターンの微細化や、透明度を一層高めたパネルの開発が進められている。しかし、透明パネルの欠陥の検出には、成形後の導通検査によって良否を判定するか、レーザ顕微鏡などを使って時間をかけて欠陥箇所を特定するしか方法がなかったため、回路パターンの微細化や透明度が高まるにつれて、欠陥の発生原因の見極めが難しくなっている。そのため、タッチパネル業界では安定供給に向け、生産効率と歩留りの向上を両立できる、バランスの取れた解決策の確立が急務となっている。

同装置は、透明電極の可視化技術とこれまで培ったノウハウを融合させ、歩留りの向上や品質管理において、ネックとなっていた欠陥箇所の特定、および各工程での抜き取り確認に当たって、7型タブレット(横170mm×縦120mm)の場合、従来のレーザ顕微鏡による方法では約100分かかっていたものを、わずか15秒でスキャンできるなど、高速に透明電極の回路パターンを可視化できる。また、従来の方法では困難だったPETフィルムとカバーガラスを貼り合わせた状態での品質管理や、クラックと呼ばれる微細なひび割れの検知も可能にするなど、実用性の高い装置となっている。

なお、価格は2000万円。9月から販売を開始する予定。

DNSの透明電極モニタ装置「TM-1C」