日立製作所ならびに日立電梯は21日、中国広州市に建設中の超高層複合ビル「広州周大福金融中心」(地上111階、地下5階、530メートル)に、世界最高速(2014年4月21日現在、日立調べ)となる時速72キロメートル(分速1,200メートル)の超高速エレベーターを納入すると発表した。

同エレベーターは、地上1階から95階までの440メートルを約43秒で昇ることができる。大出力の薄型永久磁石モーターを開発し、主ロープの強度を高めて軽量化することで、巻上機を小型化。また、大容量モーターの出力を制御するために、昇降機用として世界最大級の容量を持つインバーターを搭載しながら、制御盤の省スペース化に成功した。

このほか、安全停止を実現するブレーキ装置や調速機を用いるとともに、横揺れ防止や耳閉感緩和のための技術を採用することで、高速走行と安全・快適な乗り心地を両立したという。

広州周大福金融中心の完成予想図

広州周大福金融中心には、同エレベーターが2台納入されるほか、28台のダブルデッキエレベーター、分速600メートルの超高速エレベーターなど合計95台のエレベーターが納入される。全面開業は2016年を予定している。

日立は1968年、当時の国内最高速となる分速300メートルのエレベーターを開発し、日本初の超高層ビル「霞が関ビル」に納入するなど、建築物の高層化・大規模化に対応した製品開発を行っている。