映画『2つ目の窓』が、第67回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが決定し、河瀬直美監督が18日、都内で会見を行なった。

会見を行った河瀬直美監督

本作は、同映画祭において、『萌の朱雀』(1997年)で新人監督賞、『殯の森』(2007年)で審査員特別大賞を受賞した河瀬監督の最新作。鹿児島県の奄美大島を舞台に、16歳の少年と少女の初恋と成長を通して"生きる希望"を描く――というストーリーで、映画は7月26日から全国公開。また、公開前の6月1日には、WOWOWで先行放送する。

「非常に晴れやかな気持ち。名だたる監督たちと同じ舞台に立つことが楽しみ」と喜びを語った河瀬監督は、撮影を振り返り、「クランクインして最初のショットを撮った時から、最高傑作になると感じた。スタッフ、キャストが同じ方向を向いて走っているという実感があった」と自負。昨年には同映画祭の審査員を務めており、「最高傑作であることは間違いない。1つの形ある賞としては、パルムドール(最高賞)を目指すしかないと思っている」と、賞レースに向けて意気込んだ。

本作には、主人公を演じた村上虹郎、吉永淳のほか、杉本哲太、松田美由紀、渡辺真起子、村上淳といったベテラン俳優陣も出演。これまでの作品とは異なり、若い世代を主人公としており、「この世界で生きていくことに、感受性の強い若い世代が夢や希望を持って歩んでいって欲しいということを表現した」と本作に込めた想いを吐露。また、本作は、村上淳と歌手のUAの息子・村上虹郎が俳優デビューにして親子共演を果たしていることも話題になっているが、河瀬監督は「圧倒的な自然に負けない、新人たちの生命力を観て頂きたい」とアピールしていた。