「HP ConvergedSystem 700 for Virtualization」

日本HPは4月17日、クラウド、ビッグデータ、仮想化、モバイルの新しい4つのメガトレンドに対応し、サーバ、ストレージ、ネットワークなどを統合した統合型アプライアンスシステム(垂直統合システム)「HP ConvergedSystem」を発表、提供を開始した。

最短1日でオーダーでき、30日以内で納品。パック製品を用意することにシステムの拡張も最短5日で可能だという。

同社は統合型システムとして2009年より、「HP BladeSystem Matrix」を提供。その後、2011年からは、「HP Cloud System」、「HP VirtualSystem、HP AppSystem」を提供してきた。今回はこれらを刷新し、「HP ConvergedSystem」という新しいブランドとして展開する。

日本HP HPサーバー事業統括本部 エンタープライズサーバー製品部 部長 中井大士氏

日本HP HPサーバー事業統括本部 エンタープライズサーバー製品部 部長 中井大士氏は、新ブランドのねらいを「これまでは一部のワークロード対応していたが、HP ConvergedSystemは、多くのワークロードに対応したシステムだ。さらに、マネジメントやデリバリの最適化を行っている」と説明。また、「すべてはソフトウェアのための、ソフトウェア専用ハードウェアという発想だ」と解説した。

今回発表したのは、「HP ConvergedSystem 100 for Hosted Desktops」、「HP ConvergedSystem 300 for Virtualization」、「HP ConvergedSystem 700 for Virtualization」、「HP ConvergedSystem 500 for SAP HANA」の4つ。

なお、米国では、「HP ConvergedSystem 300 for Vertica」が販売されているが、日本では今後発売していく予定だ。

「HP ConvergedSystem」のラインナップ

「HP ConvergedSystem 300 for Virtualization」と「HP ConvergedSystem 700 for Virtualization」は、仮想化向けの製品で、300は最大300VM、700は1000VMクラスまで対応する。300は、VMwareでの利用を想定。同社のHP Proliant DL380p Gen8という2Uのサーバとスイッチのみのシンプルな構成となっている。一方700は、VMwareとHyper-Vでの利用を想定し、ブレードサーバHP BladeSystem c700、ストレージとしてHP 3PAR StoreServ、スイッチを組み合わせ、カスタマイズにも対応する。

価格は、300が2,542万6,600円(税別)~、700が6,792万600円(税別)~。

「HP ConvergedSystem 300 for Virtualization」と「HP ConvergedSystem 700 for Virtualization」

「HP ConvergedSystem 100 for Hosted Desktops」は、モバイル環境からのアクセス基盤としての利用を想定しており、HP Proliant 700サーバカートリッジによる、仮想化を使わないリモートデスクトップ環境を提供。CitrixのXen Ddesktopの利用を想定したコラボレーションテスト済み構成をセットアップガイドとともに提供する。 価格は、1,526万5,000円(税別)~。

「HP ConvergedSystem 100 for Hosted Desktops」

「HP ConvergedSystem 500 for SAP HANA」は、SAP HANA向けのソリューションで、サーバはHP Proliant DL580p Gen8、ストレージはサーバ内蔵またはHP 3PAR StoreServ、およびネットワークスイッチで構成。また、SAP認定済みのバックアップソフト「HP Data Protector」、クラスタ製品である「HP Service Guard for Linux」も搭載する。価格は、1,225万4,000円(税別)~。

「HP ConvergedSystem 500 for SAP HANA」

また同社は、「HP ConvergedSystem」の提供開始にあわせて、クラウド基盤管理ソフ トの新製品「HP CloudSystem」の販売も開始した。現在提供中のクラウド基盤管理ソフト「HP Matrix Operating Environment」は、主にHP独自技術をベースにしていたのに対し、今回の「HP CloudSystem」ではOpenStackをベースにしたHP Cloud OSを採用している。これにより、HPのサーバだけでなく、OpenStackに対応した他社のサーバも管理可能になる。

「HP CloudSystem」には、シンプルなIaaS環境向けの「HP CloudSystem Foundation」と、高機能なIaaS/PaaS環境向けの「HP CloudSystem Enterprise」の2つのエディションがある。価格は「HP CloudSystem Foundation」が12万1,000円(税別)、「HP CloudSystem Enterprise」が36万8,000円(税別)。HP CloudSystem Enterpriseは、HP Public Cloud、Amazon Web Services、Microsoft Azureなど、パブリッククラウドとの連携を標準機能で対応する。

「HP CloudSystem」のラインナップ

「HP CloudSystem」の画面

日本HP HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏

日本HP HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏は、「今回発表のキーワードは修練だと考えている。HPのフィロソフィーは、お客様の困っていることに対して、製品を提供することだが、現在、お客様の課題は2つある。1つはITシステムの複雑化で、もう1つが運用管理コストの肥大化だ。ITシステムの複雑性に対する答えがHP ConvergedSystemで、運用コスト肥大化に対する答えが、HP CloudSystemだ」と述べた。