JR北海道はこのほど、北海道新幹線の新函館(仮称)開業に向け、JR東日本のE5系をベースとした北海道新幹線車両H5系40両(4編成)を制作すると発表した。北海道新幹線新青森~新函館(仮称)間は2016年3月開業予定。

北海道新幹線用新型車両H5系外観イメージ

グランクラス客室イメージ

グリーン車客室イメージ

普通車客室イメージ

H5系は東北新幹線への直通運転を考慮し、10両編成や各種設備、時速320kmで走行する性能などの基本仕様はE5系と同じ(北海道新幹線の営業最高速度は時速260km)。在来線との共用走行区間では当面、時速140kmで走行する予定。

先頭形状を含む車体形状もE5系と同じ。東北新幹線と共通したイメージを持たせるため、車体上部を「常盤グリーン」、下部を「飛雲ホワイト」とする基本の色構成もE5系と同一だが、E5系では「はやてピンク」となっている中央の帯は独自の色に変更。ライラック、ルピナス、ラベンダーなど北海道らしい花を連想させる「彩香(さいか)パープル」(紫色)とする。内装の一部にも北海道独自のデザインを取り入れ、旅への期待感や高揚感を演出するという。

東北新幹線E5系、北陸新幹線E7系・W7系に続き、H5系にもグランクラスを導入。10号車がグランクラス(定員18名)車両、9号車がグリーン車(定員55名)、1~8号車が普通車(定員658名)となり、グランクラスとグリーン車の全席、普通車の窓側および車端部に電源コンセントを設置する。全車フルアクティブサスペンションで、乗り心地も向上させる。

バリアフリー設備として、改良型ハンドル形電動車いすに対応した大型洋式トイレや多目的室を設置。客室内・トイレ内に対話型非常通報装置、客室とデッキに防犯カメラをそれぞれ設置するなど、セキュリティにも配慮した。JR北海道は今年3月の記者会見で、北海道新幹線用車両を発注済みと発表。今回の発表によると、今年秋に第1編成が落成の予定だという。