富士通研究所は4月15日、人が集まったその場で端末や機器を接続して画面共有や協働作業を行う情報交換サービスを構築できる基盤技術を開発したと発表した。

同技術は、事前にメンバー登録やドライバのインストールをインストールすることなく、人や機器をつなぐ連携サービスを構築可能なプレイスサービス基盤技術。

同社は「場所を介した端末間連携技術」「機器の仮想化技術」「ローカルWebサービス」の3つの技術を開発して、端末にアプリケーションを配布するローカルアプリストアとあわせて、プレイスサービス基盤として統合した。

プレイスサービス基盤の仕組み

「場所を介した端末間連携技術」は、Wi-FiのアクセスポイントやNFCタグなどに記録されたIDに対応した場所(プレイス)を定義し、その場所で認識された端末に、他の端末との連携機能を付与したモバイルアプリケーションをサーバから自動で配信する。これにより、その場に閉じた通信路である情報チャネルが構成され、その場における情報交換が可能になる。

端末間連携技術の仕組み

「機器の仮想化技術」は、その場にある物理的な入出力機器に対して、ディスプレイやポインティングデバイスなど各機器の基本機能を仮想的なドライバとして提供し、機器ごとの機能差を吸収。このドライバを利用するサービスAPIを介してその場の機器を連携することで、端末上で面倒な設定が不要となり、その場の機器が即座に利用できる。

機器連携技術の仕組み

「ローカルWebサービス」は、その場の端末間、端末と機器の間で情報交換を行うため、開発で共通的に必要となるアプリケーション間の通信や共有メモリ制御などの機能をローカルWebサービスのAPIとして提供。モバイルアプリケーションの開発者はこのAPIを使用することで、サーバシステムの構築やそれを利用するためのライブラリの開発が不要となり、アプリケーション間の通信や、その場のディスプレイに端末の画面を出力するなどの機能を実現できる。

ローカルWebサービスの仕組み

同社では、同技術により、人が集まったその場で端末や機器をつないで活用するアプリケーションの開発工数を最大で従来の約10分の1に低減することができるとしている。