アドビ システムズは4月15日、企業向けに提供する統合デジタルマーケティングソリューション「Adobe Marketing Cloud」においてWebコンテンツ最適化テストを行う「Adobe Target」に、新たなソリューションとして「Adobe Target Standard」を追加し、同日より提供を開始した。

アドビは2009年にアクセス解析ツール「SiteCatalyst」を提供するOmnitureを買収し、デジタルマーケティング分野に本格的に進出。提供するAdobe Marketing Cloudは、アクセス解析をメインとした「Adobe Anlaytics」、コンテンツ配信を最適化する「Adobe Target」、ソーシャルメディアの管理・分析を行う「Adobe Social」、広告展開の統合管理「Adobe Media Manager」、Webコンテンツ管理の「Adobe Experience Manager」、顧客ごとの最適なキャンペーン構築を管理する「Adobe Campaign」の6つのソリューションとして提供している。

今回発表されたAdobe Target Standardは、このうちのAdobe Targetのサブソリューションといった位置づけ。どちらもWebコンテンツの最適化テストなどが行えるが、Adobe Targetが多変量テストなどより高機能となっており、Adobe Target Standardは機能を絞りつつもグラフィカルなインタフェースを追加してより簡単に扱えるようになっている。

Webサイトコンテンツの最適化では、簡単な例を挙げると、ECサイトの割引キャンペーンの文言として5000円の商品を「3つで10000円!」とした場合と「2個買えば、3個めは無料!」とした場合でどちらがより訴求力があるかを判断し、より効果の高い文言(や画像など)で売上拡大を図る。上記の例では、マーケティング教科書などは後者がより効果的とすることが多いだろうが、実際には商品やそのターゲット層によって正解は異なることになる。

Adobe Target / Adobe Target Standardは、このような課題においてABテストなど最適化施策を管理するソリューションとなる。テストパターンの設計や配信パターンの作成、配信ターゲットなどを設定し、それぞれのテストパターンでのコンバージョンを計測することで、より効果的な施策を数字として把握することで、企業のデジタルマーケティングをサポートする仕組みとなっている。

Adobe Target Standardは、企業において各ブランド担当者がそれぞれの担当ブランドサイト内でテストを行うといったどちらかというと小規模での利用を想定している。より簡単にテストが行えるソリューションを提供することで、テスト実施の裾野を広げ、現場担当者が簡単なテストを数多く回していくといったイメージとなる。

そのような想定から、操作はシンプルとなっており、テストを行う際の設計も画面の指示に従って操作するだけで簡単に設定可能になっている。また、HTMLソースコードを編集することなくコンテンツの内容や画像や色、テキスト、デザインなどの変更もできる。テスト実施時のレポートも、リアルタイムで見ることができ、グラフィカルな表示で直感的な把握がしやすいかたちで提供される。

Adobe Target Standardは単体で導入することができ、多くのテストが実施できるように料金体系は利用サイトのPVに応じた年間定額制で、テスト回数の制限も設けていない。

また、Adobe Marketing Cloudの他のソリューションをあわせて利用することで、モバイルアプリで同様のテストを行うことや、より詳細なターゲットセグメントを作成してテストを行うことも可能となっている。