スマホ部部員の両親や祖父・祖母たちから、「スマホは気になっているけれど、やっぱり毎月の料金が高いから、すぐにガラケーから持ち変えるのは躊躇する」という話を聞きます。ガラケーと比較すると端末・月額料金共に高いので、興味本位で持つにはややハードルが高く感じることでしょう。しかし、スマホが格安で購入することができるとしたら、料金がネックと感じている層はどう動くのでしょうか?

イオンからスマホ発売ってどういうこと!?

2014年4月4日、全国に430店舗の総合スーパーを展開するイオンは、昨年Googleと韓国が開発したNEXUS 4とMVNO SIM(日本通信提供)をセットにしたプランを170店舗で提供開始しました。月額2,980円(税抜)という格安プランでスマホを持つことができるためか? 予約を開始した今月1日から3日までの間で約3割の店舗が予定台数を予約で完売したとのこと。

これまでSIMフリースマホとMVNO SIMをセットで販売していたのはインターネットプロバイダーなど、通信に何かしら関わりあいのある企業ばかりでした。今回のように小売業であるイオンがSIMフリースマホとMVNO SIMをセットにした独自商品を売りだしたのは画期的であると言えます。

ちなみにMVNOとは自らは回線を持たず、MNO(移動体通信事業者)であるキャリアから回線を借り受けてサービスを提供する事業者のこと。イオンにSIMを提供している日本通信以外に、NTTコミュニケーションズやIIJ、BIGLOBEなどがあります。

なお、2014年4月現在、MVNOに回線を提供しているのはドコモだけ。今後、auやソフトバンクもMVNOへ回線提供することが期待されています。

ドコモやau、ソフトバンクで契約するのと何が違うの?

ドコモ、au、ソフトバンク。いわゆるキャリアと呼ばれる存在でスマホを新規契約した場合、だいたい7,000円/月程度の金額が月々かかるといわれています。

今回イオンから発売されたプランは、090、080というスマホと同じように電話番号からの通話とデータ通信も行えるSIMカードを採用しています。SIMフリースマホとMVNO SIMのセットで発売されている商品のSIMカードはデータ専用SIM。イオンから発売されているスマホセットは、キャリアで契約したスマホとほぼほぼ同じであると言えます。

これだけ聞くと何だかとてもお得なような気がしますが、実はキャリアが提供するプランと全く同じというわけではありません。

ドコモ、au、ソフトバンクで契約した場合、データ通信の最高速度は100Mbps以上。このデータ通信速度で7GBまで利用することが可能です(7GBを超えた場合、128kbpsに速度制限。解除には別途従量課金必要)。

一方、イオンのスマートフォンプランは、データ通信利用量は無制限ですが、通信速度が200kbpsに固定されています。この速度だと通常のWeb閲覧やメールの送受信、LINEなどのメッセージアプリを利用する場合は基本的に問題ありませんが、動画閲覧や写真投稿にはあまり適していません。

今回イオンから提供されているNexus4は、LTE回線網には非対応ですが、HSPA+に対応しているので、データ通信の最大速度は14.4Mbpsです。しかし、提供されているSIMはドコモのXiに対応しています。また、このSIMには200kbpsの制限を解除するターボチャージオプションが用意されているので、決められた通信量までの高速データ通信が利用可能。Nexus4の場合、14.4Mbpsを超えたデータ通信速度を体感することはできませんが、別途LTEに対応したSIMフリースマホ、または、ドコモのスマホを入手することで、高速データ通信をより体感することができます。

スマホに慣れて低速だけでは物足りない場合は、こうしたオプション契約を試すのも面白いかと思います。

「どれが自分に合っているか? 」で判断

これはスマホ選びにも言えることですが、「どれが合っているか? 」で選択するのが賢いやり方と思います。

それぞれのプランには一長一短あり、人によって求めているサービスの違いもあるので、キャリアがラクだという人もいれば、全部自分で管理したいという人もいることでしょう。スマホを持つ前と同じように各社プランの比較検討をし、何が必要なのかを自分で判断することが問われている。そんな気がしています。

MVNOとキャリアの違いの一例をあげると、キャリア提供のメールアドレス(@docomoや@ezwebなど)がなかったり、キャリア提供の動画・音楽サービスの利用ができないということがあります。サポート面での違いもあるので、契約前にはチェックしておきたいポイントです。

昨年末あたりからMVNO SIM市場は盛り上がりを見せている背景に、単純に料金の問題だけでなく需要が多様化しているのも要因に挙げられるのではないでしょうか? これまで敏感な人だけが2台目、3台目のスマホ・タブレットを持つ際のコストを抑えるために利用していたというのが殆どです。

MVNO SIM市場においてもデータ通信専用プランばかりで、音声通話機能付きSIMを取り扱っていたのは日本通信やSo-Netだけでしたが、3月7日からIIJも音声通話付きSIMの提供を開始しました。また、MVNOに回線を提供しているドコモは、総務省が3月11日に改訂した「第二種指定電気通信設備制度の運用に関するガイドライン」沿ってMVNOへのパケット接続料を算定。最大56.6%の値下げを行うことを発表しました。これにより、MVNO各社から新たなプランが提供されることが期待されています。

ドコモ、au、ソフトバンクの国内主要3キャリアは、新端末の発表会を例年5月初旬から中旬にかけて行っています。この発表会では最新モデルのスマホを紹介するだけでなく、新サービス・新料金プランの発表が行われることでしょう。

さらに、今年はヤフーがソフトバンクから買い取った、イー・モバイルとウィルコムが合併した新会社ワイモバイル(仮称)が6月よりサービスをスタート。これにより、ユーザーの選択肢はさらに広がりを見せています。

値段で選ぶか? サービスで選ぶか? 端末で選ぶか? なかなか悩ましい問題になりそうです。

記事提供:gooスマホ部

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