Fitbit 共同創業者 CEO James Park氏

身につけた端末(ウェラブルデバイス)で日々のライフログを取得するFitbitを展開する米Fitbitは4月8日、都内で記者向けの説明会を開催した。来日したFitbit 共同創業者でCEOのJames Park氏は、同社製品の急成長をアピールし、日本においても「Fitbit flex」を家電量販店などで一般販売する予定であることなどを明らかにした。

Fitbitは2007年に設立。リストバンドタイプのデバイス「Fitbit force」「Fitbit flex」や、シャツの胸ポケットなどにクリップできる「Fitbit one」「Fitbit zip」といった製品をベースに、日々の活動記録(ライフログ)を取得し、その情報をスマートフォンアプリやPCで視覚化することで健康的な生活をサポートするサービスを提供している。

これら製品のうち、Fitbit oneとFitbit zipは国内で販売しており、Fitbit flexはソフトバンクモバイルが提供する健康管理サービス「SoftBank HealthCare」のユーザー限定で販売を行っている。このFitbit flexについては、6月よりアップルストアや家電量販店での一般販売を開始する予定で、大規模なマーケティングキャンペーンも協議しているという。Park氏は、日本には健康意識が高い人が多いといとして、Juniper Researchによる2018年までにグローバルで2兆円に達するだろうとする市場規模予測とあわせて、日本への本格展開への期待とシェア獲得への意気込みを見せた。

なお、最新モデルのFitbit forceは米国で2013年秋に販売を開始したものの、リストバンドの素材により肌がかぶれるといったトラブルが報告され、ソフトバンクモバイルも同製品の提供を延期している。この問題についてPark氏は「原因はすでに特定しており、リコール対応も含めユーザーには理解してもらっている」として「売上に影響はあったが、forceが軌道に乗れば回復していくだろうと」とコメントした。

このようなライフログを取得するヘルスケアデバイスは他社からも販売されており、NIKEの「FuelBand」やJawboneの「UP」などがある。これら競合に対して、Park氏はNPDによる2013年クリスマス商戦の活動量計シェアで同社製品が77%と他社を圧倒したことや、2013年通年においても67%のシェアを得ていることに触れ、「この分野においてリーダー的存在になった」と述べた。

現在、同社製品はグローバル42カ国の3万5000店で取り扱っている。2012年以降に急速に販売数を伸ばしており、自社オンラインショップのみで販売していた当初から飛躍的なスピードで成長している。製品に関しては、まだ成長段階のためグローバルでの一斉発売は難しいが、今後は「同時発売を目指したい」とした。なお、forceの日本展開時期については明らかにしなかった。

同社 APAC副社長 兼 本部長のYolanda Chan氏は、日本市場への取り組みとして、フードデータベースを持つ企業と協力して食事のカロリー摂取量を簡単に入力できる機能の日本版対応を進めていることを紹介。データベースは10万件規模になるとした。

また、James Park氏はFitbitの誕生エピソードもプレゼンシートで紹介。「任天堂がWiiを発売した時、目からうろこが落ちた。センサーとソフトウェアが一緒になってゲームのあり方を変えてしまったなんて! エリック(エリック・フリードマン 共同創業者 CTO)と私は、この魔法でフィットネスとエンターテイメントを結びつけようと思ったんだ」としている。

日本発の技術をインスピレーションに生まれたFitbitが、日本市場でどのような展開を見せるか。急速に拡大する市場でのポジション争いはますます激しくなるだろう。