Freescale Semiconductorは、ARMベースマイコン「Kinetis」の新製品として、車載市場向け「Kinetis EA」シリーズを発表した。

同製品は、Freescaleの車載マイコン分野におけるこれまでの基盤を応用しつつ、新たな開発環境を組み合わせており、ボディエレクトロニクスアプリケーションの開発プロセスを簡素化、迅速化する。同製品を活用することで、プロトタイプを24時間で開発することが可能になり、研究や開発に必要な時間を2週間以上削減できるようになる。

具体的には、48MHz動作のARM Cortex-M0+コアをベースとした車載グレード32ビットマイコンであり、AEC-Q100グレード1認証を取得しているなど、厳格な品質要件を満たしている。さらに、-40℃~+125℃の温度範囲に対応する他、優れたESD/EMC特性を備えている。加えて、最大128KBの組み込みフラッシュメモリ、最大80ピンLQFP(GPIO71本)のパッケージオプションなど、多様な車載アプリケーションのニーズに合わせて設計を拡張できる。

この他、開発環境には、車載リファレンスデザインをはじめ、迅速にプロトタイプを作成できるツールスイートなどが準備されている。また、24時間以内のプロトタイプ作成を実現するため、各種アプリケーションの一般的な開発プロセスを手順ごとに詳細に説明する車載開発ポータルや、開発の時間とコストを削減する統合ソフトウェア/ハードウェア開発パッケージが用意されている。

用途として、シートモジュールやサンルーフ、燃料ポンプ/ウォータポンプ、ボディ制御システムやパーキングアシスト、CAN/LINノード、インテリアライティングなどのボディエレクトロニクスおよび、二輪パワートレイン向けのエンジン制御システムなどを想定しているという。特に中国など、市場投入時間が重視され、ARMアーキテクチャに習熟している市場での需要が見込まれるとしている。

なお、価格は1万個購入時で42セント~1.40ドル。すでに、サンプル出荷が開始されている。