タカイシイ・ギャラリー、空蓮房、TRAUMARIS|SPACEは、新進気鋭の写真家・武田陽介の写真展「Stay Gold」を開催している。開催期間はタカ・イシイギャラリー(清澄白河)とタカ・イシイギャラリー モダン(六本木)は4月19日まで、空蓮房(蔵前)は4月25日まで、TRAUMARIS|SPACE(恵比寿)では4月27日までとなっている。いずれも入場は無料。

「144540」2014年 ライトジェットプリント (c)Yosuke Takeda 個展「Stay Gold」(タカ・イシイギャラリー)展示作品

同展は、ロバート・フロストの詩の一節「Nothing Gold Can Stay」から生まれた言葉「Stay Gold」をタイトルとした写真家・武田陽介の個展で、それぞれコンセプトの異なる4つの会場で展開されている。

タカ・イシイギャラリーでは、2006年から2014年にかけて制作された代表作を、浄土宗寺院 長応院境内に建立された展示スペース「空蓮房」では、カメラのレンズを光源となる太陽へ直接向けることで生じる「ハイライト」(カメラが捉えきれない領域)を被写体とした「Digital Flare」シリーズを展示する。TRAUMARISではひとつの作品イメージを、一方は壁紙に出力して展示スペースの壁一面に設置し、もう一方に印画紙を用いて制作したいわゆる写真作品として額装したものを掲示。そのほか、タカ・イシイギャラリー モダンでは、今回刊行された作品集「Stay Gold」を制作する際に出力された色校紙をインスタレーション作品として構成している。

「021506」2011年 ライトジェットプリント (c)Yosuke Takeda 個展「Stay Gold: Two Walls」(TRAUMARIS | SPACE)展示作品

「081112」2012年 ライトジェットプリント (c)Yosuke Takeda 個展「Stay Gold: Digital Flare」(空蓮坊)展示作品

今回の個展に際して武田は、「Stay Goldとは抵抗である。Nothing Gold Can Stay=変わらないものは何もない、という正しさを知りながら、それでも、変わらないもの、変わらないことの傍らに立つという抵抗である。それこそ、僕にとっての"写真"であるように思う」という言葉を寄せている。

なお、武田陽介は1982年愛知県生まれの写真家。2005年、同志社大学文学部哲学科卒業。抽象絵画のような構図や、グラフィックのフラットな質感を併せもつ作品で、写真、美術、デザインの各分野から注目を集める。また1970年代、アメリカの写真家、ウィリアム・エグルストン等によって興った、それまでのカラー写真の概念を覆すムーヴメント「ニューカラー」を正統に受け継ぐ、数少ないフォトグラファーとしても近年評価が高まっている。