技術少年出版は4月1日、学習用8ビットマイクロコンピュータキット「Legacy8080」のセミキットおよび完成品の販売を開始したと発表した。

同製品は、8080/Z80の上位互換CPUであるZilogの「Z8S180」(動作周波数は2/4/10MHzの切り替えが可能)と独自開発のCP/M Vew2.2互換OS(メモリ配置は58K CP/Mと同じ)の搭載により、BASICインタプリタやコンパイラ、FORTRAN、COBOL、PL/I、PASCAL、マクロアセンブラ、TINY BASICなどを体験して中身を分析したり改造したりして学習することが可能な学習キット。

また、CPU、メモリ、周辺LSI以外は標準的なTTL回路で構成してユーザーがデジタル回路の動作を理解しやすくするといった工夫が施されているほか、拡張ボードを買い足さなくても十分な応用ができる多彩なインタフェースを標準実装してユーザーが色々な実験や工夫が出来るように、1977年当時のS-100バスボード84枚分の機能を標準実装している。さらに、ユーザーが自分で拡張できるようにI/O拡張バス、アドレス拡張バスが実装されている。

このほか、「Altair8800」、「IMSAI8080」のコンソールパネルと互換性がある操作性やコンソールパネルからメモリへの書き込み読み出し、ステップ動作、自動ステップ動作、ソフトウェアからフロントパネルの8ビットI/Oポートへ入出力(IN FF/OUT FF)などが可能なほか、USB専用ソフトツールによりWindowsPC に仮想コンソールターミナルの機能を実現することで、WindowsPCをバーチャルコンソールターミナルとして利用することも可能。加えて、従来CP/Mで必須だったフロッピーディスクドライブを、コンソールターミナルとして利用するWindowsPCのHDD内に仮想フロッピードライブ(V-FDD)を構築(最大4台。1台あたりの容量は2MB)することで、物理的に用意しなくても利用することが可能となっている。

同社では、同OS上で、「BASIC-80」、「BASCOM」、「FORTRAN-80」、「COBOL-80」、「MACRO-80」、「LINK-80」、「PL/I」、「TURBO-PASCAL」、「Wordstar」、「TINY BASIC」、「Multiplan」、「STARTREK(BASIC-80上で動作)」などの祖父tの動作を確認しているとする。

なお同製品は同社Webサイトでの受注生産販売の形を採用しており、納期は注文から約4週間としている。価格はセミキット(DOS/V PCと同程度の組み立て作業が必要)で、エンタープライズモデルが14万9000円(税別)から、完成品が15万2000円(税別)からとなっているほか、中身が見えるシャシーケースを採用したエデュケーションモデルの場合、セミキットで9万9000円(税別)から、完成品で10万2000円(税別)からとなっている。

Legacy8080 エンタープライズモデルの外観

Legacy8080 エデュケーションモデルの外観