NVIDIAは3月25日(米国時間)、「GTC 2014」にてエクサスケール・スーパーコンピュータの実現に向けた取り組みとして、今後のGPUにIBMと共同で開発した高速インタコネクト技術「NVIDIA NVLink」を統合することで、GPUとCPUのデータ共有速度を従来の5~12倍に向上させる計画を発表した。

同インタコネクト技術は、2016年に導入する予定のGPUアーキテクチャ「Pascal」から採用される計画で、IBMでは、次世代のPOWERプロセッサに採用する計画だとしており、これにより、IBMのPOWERプロセッサとNVIDIA Tesla GPUが緊密に結合することとなり、POWERアーキテクチャによるデータセンター・エコシステムは、GPUによる高速化のメリットを、ハイパフォーマンスコンピューティングやデータ解析、機械学習など多岐に渡るアプリケーションでフルに活用できるようになるという。

また、同インタコネクト技術は、現在多くのコンピュータシステムで用いられているPCI Express(PCIe) 3.0が抱える問題を解決することができる標準的なCPUメモリ・システムに匹敵する帯域幅を有しているため、GPUが帯域幅をフルに使ってCPUメモリにアクセスでき、結果として、アプリケーションの動作速度を向上させることが可能になるとする。

さらに、「Unified Memory」により、プログラマはCPUのメモリとGPUのメモリをひとまとまりのメモリとして扱うことができるようになり、どちらのメモリにデータが存在するかを気にする必要もなくなるとしている。

なおNVIDIAでは、今後もGPUでPCIeをサポートしていくが、HPC分野などに向け、NVLinkによってGPUとNVLink対応CPUを接続してもらう取り組みを進めていくとしており、すでにNVLink搭載のPascalアーキテクチャを採用したGPUを格納するためのモジュールも設計済みだとしている。