米MicrosoftがMS-DOSとWord for Windowsの初期版のソースコードを公開した。コンピュータ歴史博物館が推進する歴史上の重要なソフトウエアを残すプロジェクトに協力したもので、権利はMicrosoftが保持し、商用利用は禁じられているが、同博物館のサイトからソースコードを自由にダウンロード入手できる。

MS-DOSは、後にMicrosoftがPC用OS市場で圧倒的なシェアを獲得するきっかけになったソフトウエアである。1980年にパーソナルコンピュータのOSの外部調達に乗り出したIBMからOS開発の依頼を受け、Seattle Computer Productsから取得したOSをIBM PC向けにカスタマイズした。ソースコードが公開されたのはバージョン1.1と2.0で、バージョン1.1ではSeattle Computer Productsに在籍していたTim Paterson氏のメールによる説明文も読める。またバージョン1.1と2.0のオブジェクトも含まれる。

Word for Windowsは、Microsoftがワープロ市場で存在感を示すきっかけになったソフトウエアだ。同社はDOSベースのWordを1983年にリリースしたが、当時PC互換機のワープロ市場を支配していたWordPerfectに対して成功を収められなかった。しかし、1989年にWord for Windowsを発表すると、マーケティング戦略との相乗効果でWordが劇的にシェアを伸ばし始めた。コンピュータ博物館のサイトからはバージョン1.1aのソースコードを入手できる。

ワードプロセッサの売上シェアの推移、赤線がWord for Windows