明治は3月19日、「L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)」が、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性化を介して、「子宮内膜症」の進行を抑制することを動物試験から確認したと発表した。

同成果の詳細は、3月20日付で「第87回日本薬理学会」にて発表された。

「子宮内膜症」は、子宮外に子宮内膜やそれに似た組織ができてしまう病気で、日本では約13万人の患者がおり、特に20・30代女性に多く見られる。

今回の研究はそうした子宮内膜症に対する予防効果を乳酸菌が持つかどうかを調べるために行われたもので、子宮内膜症の発症過程を模したマウスに、水またはL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を21日間与え、予防効果の検討が行われた。

その結果、水を与えたマウスでは子宮内膜組織が腹腔内にて増殖して子宮内膜症に病変したのに対し、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を投与したマウスでは病変の増殖が有意に抑制されていることが確認された。

L.ガセリ乳酸菌が子宮内膜症モデルマウスの病変の増殖に与える影響

また、その作用メカニズムがNK細胞活性低下の抑制であることも、腹腔内細胞の遺伝子解析によって示されたという。

L.ガセリ乳酸菌が子宮内膜症モデルマウスの遺伝子発現に与える影響

これらの結果を受けて研究グループでは、さらに子宮内膜症の治癒効果を検討するため、子宮内膜症を発症させたラットに、水またはL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を28日間与え検討を実施。結果、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を投与したラットでは子宮内膜症の治癒が有意に促進されることが確認されたとする。

L.ガセリ乳酸菌が子宮内膜症モデルラットの病変の治癒に与える影響

今回の結果について研究グループは、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を摂取することで、子宮内膜症を予防できること、ならびに子宮内膜症の治癒効果を得られる可能性が示されたとしている。