将棋ソフト・やねうら王に敗れた佐藤紳哉六段

5人のプロ将棋棋士がコンピュータ将棋ソフトと団体戦で戦う「第3回将棋電王戦」の第2局・佐藤紳哉六段 対 やねうら王の対局が22日、東京・両国国技館で行われた。

第2局は、22日20時26分、「将棋電王トーナメント」4位の将棋ソフト・やねうら王が佐藤六段に勝利し、全5局のうちソフト側が2勝目をあげた。手数は95手で、消費時間は佐藤六段が5時間0分、やねうら王が3時間27分。

第2局については、将棋ソフト・やねうら王が「ある局面でフリーズしてしまう」など動作が不安定だったため、対局前に主催のドワンゴが特例としてソフトを入れ替えを認め、新バージョンで第2局を行うことを発表。しかし、入れ替えによって将棋ソフトの棋力が向上した可能性が高いことが判明し、問題視する声が多く上がった。これを受けドワンゴは、19日にこの決定を修正・撤回し、修正前のバージョンで対局を行うことを発表していた。

終局後の会見で佐藤六段は「相手が強いからではなく、自分が弱いから負けてしまった。そこが残念です。▲6四歩(55手目)と歩を垂らされる手をうっかりしてしまった。初歩的な筋を見逃してしまいました」と肩を落とし、やねうら王の開発者・磯崎元洋氏は「勝算は五分五分だと考えていました。やねうら王は△6三香(70手目)に▲3一角成と成れると考えていたようですが、その局面に来て急に評価値が互角になり別の手を指したので、何か見落としがあったようです。以降は80手ぐらいまでほぼ互角の局面が続きました」と振り返った。

4月12日まで開催される「第3回将棋電王戦」は、「将棋電王トーナメント」上位5つのソフトと、現役のプロ棋士5人による団体戦。持ち時間は人間側、コンピュータ側ともに5時間となる。第2回とのルールの大きな変更点は、「持ち時間が各5時間(チェスクロック方式)」「ソフト側の統一ハード(コンピュータ)の使用」「ソフトの事前提供」の3つ。また、対局におけるソフト側の指し手は、デンソーの子会社であるデンソーウェーブのロボットアーム「電王手くん」が導入され、ロボットアームが担当している。

第3局・豊島将之七段 対 YSSは、3月29日大阪・あべのハルカスで行われる。