低コスト深紫外発光ダイオード(LED)の開発に、立命館大学総合科学技術研究機構の青柳克信(あおやぎ よしのぶ)上席研究員と黒瀬範子研究員が成功した。殺菌処理に現在使われている水銀ランプに代わる新光源として期待される。成果は2月25日の米物理学会誌AIP ADVACESオンライン版に発表した。

写真1. 新たに開発された深紫外LED電極の発光の様子

写真2. 新しい深紫外LEDの電極

波長域が200~350ナノメートルと短い深紫外光は、病院の集中治療室や工場のクリーンルームなどの殺菌処理に広く利用されている。これまでは、その光源として水銀ランプが使われていた。しかし、水銀の使用は2013年10月に採択された国連の水俣条約によって大幅に制限されることになり、代替光源の開発が急務になっている。その有力候補が深紫外LEDだが、原料や製造のコストが高く、普及が進んでいないのが現状だ。

研究グループは、絶縁体の窒化アルミニウム層を工夫し、導電化させることで、構造と製法を大幅に簡略化した。従来では製造に5日かかっていたのを1日に短縮した。基板には、高価なサファイアの代わりに安価なシリコンを利用するなどして、コストも5分の1に下げた。

青柳上席研究員は「実用化が進めば、安価なデバイスを作製することも可能で、深紫外LEDの大量生産にもつながる。LEDは用途に応じて波長域を選択できるのが利点だ。これまで光源がないために使われてこなかった未踏波長領域の深紫外光を利用する新産業が生まれる可能性もある」としている。