XYZプリンティングジャパンは3月18日、記者発表会を開催し、デスクトップ型の3Dプリンタ「ダヴィンチ 1.0」を同日より発売すると発表した。同製品は「すぐ使える」「みんなが買える」「安心のサポート」の3つを製品コンセプトとし、これまで3Dプリンタを触れたことがない人でも安心して使えるように工夫が盛り込まれている。

ダヴィンチ 1.0の外観(左)と内部の構造(右)

ダヴィンチ 1.0でプリントした造形物のサンプル

同製品は、出荷前に工場で組み立ててある"完成品"でありながら6万9800円という低価格を実現。すでにAmazonや楽天などのショッピングサイトで販売を開始しており、3月下旬にYahoo! ショッピングでの販売を開始する。ビッグカメラ、コジマ、ソフマップではショッピングサイトのほかに店頭でも取り扱う(別記事「ビックカメラ、6万9800円の格安3Dプリンタをビックカメラ.comで先行販売」)。

ゼネラルマネージャーの吉井宏之氏

同社は、日本の利用者目線に立って3Dプリンタを開発。購入者に向けて日本語での電話/メールのサポートを1年間実施する。同社ゼネラルマネージャーの吉井宏之氏は「購入者が困ったとき気軽に相談できるようにサポート体制を整えた」とサポート面での充実を強調した。修理・交換の対応も国内で実施するという。

また、購入者に向けたプリント用の3Dデータを共有するWebサービス「XYZクラウドギャラリー」を運営する。これにより、3D CADソフトなどを使って自分で3Dデータを作る知識や技術がない人でも、気軽に印刷用の3Dデータ(STLファイル形式)をダウンロードしてプリントを楽しめるようになる。吉井氏は「現在Web上に500点程度の3Dデータが登録されており、今後も同社や有志が追加アップロードすることを見込んでいる」と述べた。

スペック面での主な仕様は、最小積層ピッチが100μ、最大造形サイズが200mm×200mm×200mm。同社マーケティングマネージャーのSherry Liang氏は「一般的な(パーソナル型の)3Dプリンタと比べて2割程度大きいサイズを造形できる」と述べた。付属の印刷用ソフト「XYZware」のプレビュー機能を利用し、ズーム・回転の機能でデータを細部までしっかり確認できる。

なお、デュアルヘッドモデルの「ダヴィンチ 2.0」、Wi-Fiを内蔵する「ダヴィンチ 2.1」を年内に発売する計画であることを明らかにした(価格などの詳細は未定)。

XYZプリンティングジャパンってどんな会社?

マーケティングマネージャーのSherry Liang氏

今回「XYZプリンティングジャパン」という企業名を初めて聞いたという人もいるだろう。同社は、台湾の金寶グループの1つであるXYZprintingの100%子会社で、2013年11月に日本国内に設立した。代表者はXYZprintingと同じSimon Shen氏。日本国内のほかに、米国、欧州、中国などにも子会社を構える。

金寶グループは1973年に創立。エレクトロニクス、メカトロニクス、ソフトウェアのOEM/ODMパートナー企業として成長を続ける世界的な大企業で、現在22の関連企業、65の工場があり、10万人を超える従業員が働いている。2013年のグループの総売上高は299億ドル(約3兆円)。