バクスターは3月10日、2014年2月28日付で厚生労働省から、ヒトトロンビン含有ゼラチン使用吸収性局所止血材「フロシール」の製造販売承認を取得したと発表した。

同製品は、架橋ゼラチン粒子(ウシ真皮由来)と乾燥ヒトトロンビンを原材料とした、吸収性局所止血材(医療機器)で、結紮または通常の処置による止血が無効、ないし実施できない場合の手術時(眼科以外)の止血に補完的に用いられる。血液との接触により、架橋ゼラチン粒子が、膨張して出血を減らすタンポナーデ効果を発揮し、さらにヒトトロンビンが患者自身のフィブリン形成を促進して止血を補助する。フローアブルな特性により不規則な創面にも適用できる一方、凝血塊に取り込まれなかった余剰分は洗浄除去することが可能で、2分以内(中央値)で止血することが可能だという。

また、ヘパリン投与の影響を受けにくいため、ヘパリン投与時でも止血効果を発揮することが可能だとするほか、凝血塊に取り込まれた「フロシール」は6~8週間で体内に吸収されるという。

なお、同製品は1999年に欧州で、2000年に米国で販売を開始して以降、世界約40カ国での使用実績を持っており、同社では、今回の承認を受け、2014年秋の販売開始に向け準備を進めていく予定としている。すでに日本メドトロニックが同製品を独占的に販売する契約を締結しており、今後、同製品の販売に向けた体制の整備を両社で進めていく予定だとしている。