テクトロニクス社は3月10日、MIPI規格のオシロスコープ向けにUSB 3.0 SuperSpeed Inter-Chip(SSIC)、RF Front-End(RFFE)、High Speed Synchronous Interface(HSI)など、モバイル機器インタフェース用プロトコル/デコードソリューションを発表した。

USB 3.0 SSICソリューションを同社のオシロスコープで使用することにより、複数のUSBレーンのプロトコル層、リンク層、ローデータ/8b-10bエンコードパケットにおいて、SSICプロトコルを効率的にデバッグ、デコード、解析することができる。SSIC規格は、物理層としてMIPIアライアンスのM-PHYを使用した、モバイルアプリケーションのローパワーUSB 3.0のインターコネクトを規定している。また、USB 3.0 PHYで消費される20%の電力を使用しながら、USB 3.0の確立された技術とソフトウェアの互換性を維持することができる。

SSICデコードソリューションは、オシロスコープのハードウェアトリガを使用してライブ波形にトリガすることにより、特定のパケットタイプへのロック精度を向上させ、様々なパケットタイプを検索し、M-PHY電気信号と相関をとることができる。オシロスコープベースのハードウェアトリガは、ソフトウェアによるトリガに比べ、デコード信号を優れた精度で取り込むことができる。また、HS Gear 1、2、3のスピードにおける1、2、または4レーン、およびPWM G1のプロトコルをデバッグ/検証することができる。SSICソリューションは、最高周波数帯域33GHz、高い波形取込能力を備えたミックスドシグナルオシロスコープ「MSO70000」シリーズで使用できる。

HSIソリューションは、HSIの正確で信頼性の高い電気測定を自動的に実行し、コンプライアンステストとトラブルシュート用にプロトコルをデコードする。HSIは、アプリケーションダイと携帯電話のセルラモデムダイの接続で使用され、ダイツーダイリンクにおけるマルチプロセッサローレイテンシ通信チャンネルを提供する。

RFFEは、パワーアンプ、ローノイズアンプ、フィルタ、スイッチ、パワー管理モジュール、アンテナチューナ、センサなどのRFフロントエンドデバイスの代表的な制御手法である。同デコードソリューションは、RFFEのプロトコルを効率的にデバッグ、デコード、解析する。これに加え、同社ではM-PHYデバイスのメモリインタフェースのマルチレーンデコードなど、UniProおよびUFSのデコードソリューションも提供している。

HSI、RFFEのデコード機能は、オシロスコープ「DPO5000/DPO7000」シリーズ、「MSO/DSA/DPO70000」シリーズで利用できる。なお、同ソリューションは、パートナー企業のProdigy Technovationsとの協業により開発された。

この他、モバイル向けプロトコルデコードソリューションとして、パートナー企業のMoving Pixelと共同開発したD-PHYプロトコル用スタンドアロンプロトコルデコーダユニットを発表した。同ユニットは、最高1.5Gbps/レーン、最大4レーンとクロックのMIPI D-PHY信号のCSI/DSIプロトコルデコードをサポート。アクティブソルダダウンプローブによるDUTとの接続、リアルタイムトリガ機能、フィルタ/エラー検出機能などを備えている。

HSI用プロトコル/デコードソリューションのソフトウェア画面