日立、福島第一原発の燃料取り出しに向けた水中走行遊泳型ロボットを開発

 

日立製作所と日立GEニュークリア・エナジー(日立GE)は3月10日、姿勢や形状を自在に変化させ、狭隘空間であっても障害物を回避しながら、広い範囲を遠隔で調査できる水中走行遊泳型ロボット(クローラ)と形状変化型ロボット(クローラ)を開発したと発表した。

これら2体のロボットは、資源エネルギー庁が補助事業として進めている福島第一原子力発電所(原発)での燃料取り出し作業に用いるための遠隔装置の開発に先立ち、各種調査に用いるために開発されたもの。水中走行遊泳型ロボットは水中、形状変化型ロボットは陸上において、人間が作業することができない障害物や構造物に囲まれた狭い空間での移動が可能であり、冷却水の漏えい箇所の調査や燃料状態の調査に活用することができるという。

左が水中走行遊泳型ロボット(クローラ)、右が形状変化型ロボット(クローラ)の外観

具体的には、水中走行遊泳型ロボット(クローラ)は、原発の滞留水の漏えい箇所を水中から調査する装置として活用することを想定して開発されたロボット。サイズは高さ330mm×長さ605mm×幅450mmで、水中での移動自由度を高くするために、垂直4基、水平2基、計6基のスラスタと1組のクローラにより、走行動作と遊泳動作を両立している。特に、走行動作については、水底の走行のみならず、遊泳による障害物回避や遊泳後に姿勢を変化させ、壁面に吸着して走行する機能も有しており、移動性能評価実験においては、床面から浮上、遊泳し、壁面へ押し付けた状態で90°姿勢を変換して、安定して壁面に吸着、走行する、一連の動作が出来ることが確認されたという。

水中走行遊泳型クローラの稼働実験の様子

一方の形状変化型ロボット(クローラ)は、原発建屋内部における踏破性を確保しつつ、放射線量が高い領域に装置を挿入するための開口部を極力小さくするという課題に対応することを目指して開発されたロボット。2つの小型クローラを組み合わせ安定走行できる移動装置を基本形状とし、狭隘空間を通過可能な形状に変化させることができる可変構造を採用している。平面走行時は高さ90mm×長さ250mm×幅272mm(配管通過時は高さ90mm×長さ640mm×幅65mm)で、本体および両端の2つの小型クローラの3関節で構成されており、本体に対してクローラを90度で回転させることで形状を変化させる。実際に原子炉格納容器内部の走行を想定した試験を実施した結果では、直径100mmの配管を通過できること、格子寸法25mm×90mmのグレーチング平面上を走行できること、さらに、凹凸のある面上を安定走行できることが確認されたという。

形状変化型ロボットの外観の変化

なお2体のロボットは、今後、資源エネルギー庁が実施している補助事業を通じて、福島第一原発の燃料取出しに向けた調査装置へ活用される予定だという。

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