日本アカデミー賞、『舟を編む』最多6冠! 松田龍平が最優秀主演男優賞

第37回日本アカデミー賞の授賞式が7日、東京･品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、『舟を編む』が作品賞を含む6部門で最優秀賞を受賞した。

最優秀作品賞を受賞し、喝采と拍手の中で登壇したキャストとスタッフ。開口一番、製作の井澤昌平氏が「金メダルとりました。やったー!」と喜びを爆発させると、黒木華(新人俳優賞)は「いい作品に参加できてラッキーだなと思っています」と笑顔を見せ、オダギリジョー(優秀助演男優賞)は「結構長い会で。眠くなってたので、目が覚めました」と笑いを誘った。

宮崎あおい(優秀主演女優賞)は「想像していた以上に、とってもうれしいものなんだと思い、ドキドキしています」と喜びを表現。最優秀主演男優賞でも表彰された松田龍平は、「個人賞をたくさんいただいてうれしかったんですけど、やっぱり作品賞が一番うれしいです。感謝します」とあいさつし、最優秀監督賞の石井裕也監督は「みんなで作った映画なので、こうやってスタッフとキャストとみんなで一緒にいれることがうれしい」と喜びを分かち合った。

そのほか、真木よう子が『さよなら渓谷』で最優秀主演女優賞、『そして父になる』で最優秀助演女優賞を受賞。女優賞のダブル受賞は、1979年の第2回で大竹しのぶが獲得して以来、35年ぶりの快挙となった。ピエール瀧と共に、『凶悪』で優秀助演男優賞に輝いたリリー･フランキーは、『そして父になる』で最優秀助演男優賞を受賞。最優秀アニメーション作品賞では、『かぐや姫の物語』を抑え、『風立ちぬ』が選ばれた。

また、ニッポン放送のラジオ番組『オールナイトニッポン』のリスナーの投票により選ばれる話題賞･俳優部門には、『ひまわりと子犬の7日間』に出演したお笑いコンビ･オードリーの若林正恭が受賞。前年、映画『闇金ウシジマくん』で同賞を受賞したAKB48･大島優子がプレゼンターを務め、「今後、またこのステージに登壇できるように私自身、精進していきます」とあいさつし、若林の受賞を祝福した。

■最優秀賞受賞リスト

作品賞…『舟を編む』
監督賞…石井裕也(『舟を編む』)
主演男優賞…松田龍平(『舟を編む』)
主演女優賞…真木よう子(『さよなら渓谷』)
助演男優賞…リリー･フランキー(『そして父になる』)
助演女優賞…真木よう子(『そして父になる』)
アニメーション作品賞…『風立ちぬ』
脚本賞…渡辺謙作(『舟を編む』)
音楽賞…久石譲(『風立ちぬ』)
編集賞…普嶋信一(『舟を編む』)
録音賞…加藤大和(『舟を編む』)
照明賞…渡邊孝一(『許されざる者』)
撮影賞…笠松則通(『許されざる者』)
美術賞…吉田孝(『利休にたずねよ』)
外国作品賞…『レ･ミゼラブル』

■これまでの最優秀作品賞

第36回…『桐島、部活やめるってよ』
第35回…『八日目の蝉』
第34回…『告白』
第33回…『沈まぬ太陽』
第32回…『おくりびと』
第31回…『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
第30回…『フラガール』
第29回…『ALWAYS三丁目の夕日』
第28回…『半落ち』
第27回…『壬生義士伝』
第26回…『たそがれ清兵衛』
第25回…『千と千尋の神隠し』
第24回…『雨あがる』
第23回…『鉄道員(ぽっぽや)』
第22回…『愛を乞うひと』
第21回…『もののけ姫』
第20回…『Shall we ダンス?』
第19回…『午後の遺言状』
第18回…『忠臣蔵外伝 四谷怪談』
第17回…『学校』
第16回…『シコふんじゃった。』
第15回…『息子』
第14回…『少年時代』
第13回…『黒い雨』
第12回…『敦煌』
第11回…『マルサの女』
第10回…『火宅の人』
第9回…『花いちもんめ』
第8回…『お葬式』
第7回…『楢山節考』
第6回…『蒲田行進曲』
第5回…『駅 STATION』
第4回…『ツィゴイネルワイゼン』
第3回…『復讐するは我にあり』
第2回…『事件』
第1回…『幸福の黄色いハンカチ』