三井化学は3月6日、太陽光パネルに関する試験、認証、R&Dおよび太陽光発電所向けサービスを提供している独PI Photovoltaik-Institut Berlin(PI)と太陽光発電に関する診断およびコンサルティング事業を開始することで合意し、PIから独占的にライセンスを受ける契約の締結に向けて協議中であることを公表した。

太陽光発電の先進地域である欧州では現在、多くの発電所でパネルの発電不良などのトラブルが発生し始めており、設置前のパネルの品質評価、運用時の不具合早期発見への需要が高まっている。一方、日本では、固定価格買取制度の開始による太陽光発電事業への参入が増加しており、今後同様の事態が発生する可能性が指摘されている。

三井化学グループは、太陽電池用封止シートをはじめとした部材を太陽光発電市場に提供してきたほか、太陽光発電部材やパネルの分析・解析・試験サービスを提供してきており、国内最大級の太陽光・風力発電所を愛知県田原市に建設している発電事業者でもある。

今回のPIより受けるライセンスにより行われる太陽光発電に関する診断およびコンサルティング事業は主に以下の3つ。

  • 太陽光パネル診断(選定時、設置前の品質・信頼性評価)
  • 太陽光発電所診断(運用時の発電性能評価、不良パネルの検出、発電所転売時の資産価値評価)
  • コンサルティング(発電所の計画・検収における支援、第三者評価レポートの発行)

なお三井化学では、すでに国内の銀行や発電事業計画者、研究機関などと同事業に関する契約締結を進めているとするほか、同社茂原分工場において、同事業の開始に向けて、診断技術の実証発電所を建設中だとしている。

太陽光発電における三井化学グループの強み