2013年の訪日外国人が過去最高の1,036万人となった中、訪日客を誘致する日本政府の対策とともに、外資系高級ホテルの新規開業が相次いでいる。そこで2014年以降、どんな外資系高級ホテルが日本に進出するのか、東京vs関西で見てみたい。

「あべのハルカス」からの眺望を生かす

まずは関西から。3月7日、大阪にグランドオープンする日本一の超高層複合ビル「あべのハルカス」内には、米・マリオット・インターナショナルが展開する「大阪マリオット都ホテル」がオープンする。同ビルは近鉄大阪阿部野橋駅から直結し、「大阪マリオット都ホテル」のほか、あべのハルカス近鉄本店や美術館、展望台などを集積した、大阪の新しいランドマークとなっている。

「大阪マリオット都ホテル」は“Five Star View”を売りに、東京都内の交通広告でもプロモーションを展開

「大阪マリオット都ホテル」は、ロビーから既に19階という眺望の良さが特長で、京都から六甲山系、明石海峡大橋から淡路島、生駒山系、そして関西国際空港も一望できる。こうした景色を思う存分楽しめるよう、全ての客室には足元から天井までワイドビューガラス窓を設置。一日で変わり行く絶景をゆったり味わうことができる。

また、マリオット・インターナショナルのホテルブランドである「ザ・リッツ・カールトン京都」は2月7日にオープンした。こちらは山紫水明の光と風を感じながら鴨川と東山を望む部屋や、東山を借景に月見台をしつらえた庭園が楽しめるスイートなど、京都の風情を体感できる空間設定がされている。

そのほか、2015年には京都に、カナダのフォーシーズンズホテルが「フォーシーズンズ ホテル アンド リゾート」を展開する。地元の芸術品が散りばめられた内装で高級感を演出し、伝統的な日本のデザインを融合させた客室が予定されている。

虎ノ門と大手町に日本初進出

東京を見てみよう。2014年の夏に開業する地上52階・地下5階の超高層複合ビル「虎ノ門ヒルズ」の最上階には、米・ハイアット ホテルズ アンドリゾーツが日本初上陸で展開する「アンダーズ東京」が誕生する。

“アンダーズ”とはヒンディ語で“パーソナルスタイル”を意味しており、ホテルではまるで友人宅にいるかのようなリラックスさ、また、洗練された空間作りが目指されている。また、最上階には東京で最も高い場所に位置する独立型のチャペルのほか、雰囲気が異なる3つのスペースを提供したバーもある。

更に、大手町にはシンガポールのアマンリゾーツが日本へ初上陸し、東京・大手町駅直結の超高層複合ビル「大手町タワー」内に「アマン 東京」を展開する。同社は世界有数のラグジュアリーホテルを擁しており、東京駅からもアクセスしやすいという立地の良さも生かした“おもてなし”が期待される。

興味深いのは、2020年にオリンピックの会場となる東京以外でも、外資系高級ホテルが新しい展開をしていることである。日本政府は2020年までに、訪日外国人を2,000万人まで伸ばしたいと発表している。こうした日本政府の取り組みもあり、長期的に拡大が見込める日本市場を見据えた、全国的な外資企業の展開が今後も増えていくのかもしれない。