理化学研究所(理研)は3月5日、STAP細胞の作製に関する実験手技解説(Technical Tips)を「Nature protocol exchange」にて発表した。また、同誌に登録していない人に向け、理研Webサイトにてpdfの公開も併せて行った。

すでに発表されているSTAP細胞の研究論文にもSTAP細胞作製法の方法論は掲載されていたが、文書スペースの都合上、詳細の記載には限界があったとのことで、当該研究グループでは、同論文の発表以降、多くの研究者が今回の現象を再現するための一助となるべく、細かいノウハウを説明する実験手技解説の準備を進めてきており、今回、その一環として、STAP細胞などの作製に関するより詳細な実験手技解説の公表となったという。

同解説は、これまで研究グループに問い合わせが多かった点や間違いやすいポイントを中心に、実用的な実験ノウハウとその解説が記載されており、理研では、「科学研究における再現性を含む評価は、科学的根拠を基に研究者社会において検証いただくものと考えております」とコメントしている。

なお、今後は、さらにより体系的な実験手技解説も準備し、整い次第、学術誌やオンライン媒体などで発表していく予定だとするほか、Natureに掲載された論文に関し、さまざまな指摘があることを真摯に受け止め、所内外の有識者による調査を進めており、調査の結果が出た時点で速やかに公表するとしている。