データ・アプリケーション(DAL)は3月4日、企業間取引業務全般に適用可能なWeb-EDI(電子データ交換)システムを容易に構築できるJavaベースのWeb-EDIシステム基盤「ACMS WebFramer」のオプション製品として、消費財流通業界のEDI標準仕様である流通BMSに準拠したWeb-EDIアプリケーション「流通BMS対応Web-EDIテンプレート」をリテイルサイエンスと共同開発し、2014年5月より提供を開始すると発表した。

インターネットを利用して企業間で電子商取引を行うWeb-EDIは、小売などの発注企業が取引用のWebサイトを開設し、卸・メーカーなどの受注企業が、パソコンのWebブラウザで注文情報の確認や納期の入力などを行う。パソコンとインターネット接続環境があれば利用可能なことから、本格的なEDI設備への投資が難しい中小卸・メーカーとの取引などにおいて、従来の電話や郵送、FAXによる受発注業務を大幅に効率化する手段として普及しつつある。

一方、流通業界では、企業間電子商取引の標準として20年以上利用されてきたJCA手順を中心とする従来型EDIから、インターネットを活用した企業間商取引を実現する新しい規格である流通BMSへの移行が進んでいる。小売各社は、流通BMSを機軸としてEDIインフラの強化に取り組んでいるが、中小サプライヤー向けに個別仕様で開発されてきたWeb-EDIにおいても、流通BMSの標準として定められているメッセージやデータ項目に準拠(『流通BMSにおけるWeb-EDIガイドライン』に準拠)することが求められている。

EDIシステムイメージ

「ACMS WebFramer」は、取引用WebサイトにログインするためのID/パスワードやセキュリティなどを管理するユーザ管理機能や、業務管理者や業務担当者のアクセス状況を記録する業務ログ管理機能などの機能を完備したWeb-EDIシステムを短期間で構築し、運用を容易にするためのシステム基盤だ。従来は、その上で動く業務アプリケーションは、取引業務を想定したサンプル・アプリケーションをベースにして導入ユーザまたはSIerが個別に開発する必要があった。新しい「流通BMS対応Web-EDIテンプレート」オプションは、流通BMSのメッセージ標準に準拠した取引に必要なWebアプリケーションを標準で提供するものだ。

DALは、EDIパッケージソフトウェアとして、企業内外のシステムおよびアプリケーションをシームレスに連携することをコンセプトにしたB2Bインテグレーション・サーバ「ACMS E2X」と、企業間のデータ連携をスムーズに行う環境を容易に構築できるB2Bサーバ「ACMS B2B」の2製品を提供しており、いずれも流通BMSの通信手順、JX手順やebXML MS、EDIINT AS2に対応している。

Web-EDI用の「ACMS WebFramer」に「流通BMS対応Web-EDIテンプレート」をラインアップに追加することで、大手企業との取引だけでなく、中小規模のサプライヤーとの取引もカバーできる総合的な流通BMS対応のEDIシステムを提供可能となった。

流通BMS対応Web-EDIテンプレートトップ画面