第86回アカデミー賞授賞式が現地時間2日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、最注目の作品賞は、1841年に誘拐され、12年の間、アメリカ南部の農園で奴隷生活を強いられたソロモン・ノーサップの伝記を映画化した作品『それでも夜は明ける』が受賞した。

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本作は、今年のアカデミー賞の計8部門にノミネート。作品賞の他は、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。作品賞受賞後、本作にプロデューサーとして参加したブラッド・ピットは「本当に光栄です。このストーリーに参加できたことをうれしく思います。1人の男のおかげでこの物語を語ることができました」と監督を務めたスティーブ・マックイーンを紹介。

スティーブ・マックイーンは、まず最初に「すごいことです。申し訳ありません。みんなに退屈な想いをさせたくないんですけど」と恐縮しながら、スタッフなど関係者の名前をメモしたと思われる紙を手にこれらを次々と読み上げ、謝意を表明。さらに、「生きていくことが重要。これがまさに原作者で主人公のソロモン・ノーサップのメッセージです。2100万人の人がまだ奴隷生活を送っていますが、彼らにこれを捧げたいと思います」とスピーチを締めくくり、子供のように跳ね上がり、壇上の関係者たちと受賞の喜びを分かち合った。

今回、作品賞にノミネートされていた作品は、『アメリカン・ハッスル』、『キャプテン・フィリップス』、『ダラス・バイヤーズクラブ』、『ゼロ・グラビティ』、『her/世界でひとつの彼女』、『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』、『あなたを抱きしめる日まで』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を含めて計9作品。うち監督賞、編集賞、撮影賞、視覚効果賞、作曲賞、音響編集賞、録音賞の7部門を制し、作品賞も最有力視されていた『ゼロ・グラビティ』を抑え、本作が栄冠を手にするという劇的な展開となった。

映画『それでも夜は明ける』は、3月7日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国順次公開。