2009年11月号より漫画雑誌『Kiss PLUS』(講談社)にて連載中の漫画『繕い裁つ人』(2015年公開)が、女優の中谷美紀主演で映画化されることが2日、明らかになった。

『繕い裁つ人』で主演を務める女優の中谷美紀

作品の舞台は、どこか懐かしい昔ながらの小さな洋裁店。祖母がはじめた洋裁店を受け継いだ2代目店主･市江は、古びたミシンで作るオーダーメイド服で人気を集めるも、職人スタイルを貫くため量産はできず、ブランド化の依頼も断り続ける。なじみの客はここで仕立てた服と共に年を重ね人生を彩り、市江はその人だけの服を繕う日々で十分であったが…。

主人公の市江役を演じる中谷は、「ものづくり大国日本の誇るべき職人のひとりを演じられることに魅力を感じました」と出演を決意。「たったひとりのために作られた"夢を見るための洋服"を大切に真摯に繕う市江の姿に惹かれました」と原作を読んだ感想を明かし、「老若男女を問わず肝心な人生をおきざりにしてお仕事に励む方や、単調な日常にわずかな豊かさを求める全ての方にご覧いただきたいです」と作品に込めた思いを語った。また中谷は、本作のために、肩までかかる髪を切ってショートヘアに。「しつけの行き届いた野犬という市江の人物評にふさわしい髪型だと自負しております」と、気合を見せている。

出演キャストはそのほか、『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した俳優の三浦貴大、『小さいおうち』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した女優の黒木華、個性派女優の片桐はいり、連続ドラマ『夜行観覧車』に出演した女優の杉咲花をはじめ、中尾ミエ、伊武雅刀、余貴美子などが名を連ねる。監督は、『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』などで知られる三島有紀子が務める。

本作は2015年の公開に向けて、神戸、川西を中心にオール兵庫ロケを実施。撮影は3月1日から3月下旬までを予定している。