お金の流れを知るために、家計簿を活用しよう!

第35話では「増税前に買っておくべきもの、買わなくてもいいもの - 100万円ためるコツ」を整理しましたが、増税に備えるには、家計の具体的数字を把握するのが一番!だと筆者は思います。

例えば、月の食費が3万円なら増税後の増加額(3%UP)は900円。それを多いと感じるか少ないと感じるかはその人次第ですが、増税に漠然と不安を感じているより、具体的な計算した方が対策が立てやすいのでは? その助けになるのが家計簿です。今回は、家計簿が長続きする秘訣について考えてみましょう。

秘訣その1)相性の良い家計簿を探す
全く自慢になりませんが、筆者は結婚してから10年の間、家計簿がつけられませんでした。「つけなかった」のではなく、何度も何度もトライしたけれど続かなくて「家計簿をつけられなかった」のです。そんな筆者が家計簿をつけられるようになって7年。その理由は、ひとえに相性の良い家計簿と出会ったから。「家計簿が続かない~」と思っている人は、もしかしたら相性の良い家計簿に出会っていないだけなのかもしれません。

筆者が7年間愛用しているのが、高橋書店から出ている“プチ家計簿”です。「家計簿が続かない~」と嘆く友人達に紹介して、「これだったら私でもイケる」と、かなりの数の賛同を得ています。“プチ”とついているだけあって、小遣い帳のようなラフな大きさ。簡単な費目訳だから、「これは何費?」と迷うことも少ない。「メモ程度つけておこう」的な気分でつけるには、うってつけです。

830円というランチ1回分の価格も、「とりあえずトライしてみるか」という気分になるようです。洋服を探すように、“自分の好み”を良く探り、相性の良い家計簿を見つけることが、家計簿つけが長続きする秘訣の第1です。

秘訣その2)費目訳で迷ったら「日用品」に記帳
家計簿をつけ始めたところでまずブチ当たる壁は、「これ、何費につけたらいいんだろう?」ということです。そこで止まってしまっては、家計簿は続きません。筆者は「費目で迷ったら、『日用品』に記帳しよう」と決めました。理由は、そう決めておけば、家計簿つけがストップしないと思ったから。しばらくそれで続けてみたら、自分がどんな費目づけに迷うかが見えてきます。

子供のいる家庭の場合、子供関係のお金が迷いどころだと思います。文房具や衣類、月謝、医療費、子供関係のお付き合い。筆者自身、これらの全てを費目分けして記帳するのが面倒になったので、全て一括して書き込める「子供費」という項目を新設することで対処しました。こんなふうに、自分が家計簿つけで陥ってしまう「立ち止まりポイント」を把握し、家計簿自体をカスタマイズする柔軟さは長続きするために必要な要素です。

秘訣その3)家計簿は現金出納帳だと割り切る
水光熱費や新聞代といった銀行口座から引き落としされるお金を、家計簿にどう記帳するか?も迷うところでしょう。結論から言えば、筆者は家計簿に銀行口座からの引き落とし額を記帳していません。引き落とし分は、半年ごとにカードの明細表や通帳から数字を拾い、エクセルで管理しています。「家計簿は現金出納帳だ」と割り切ることで、日々の記帳はかなり簡略化されます。

銀行から引き落としされるお金については専用口座を作り、月に一回一定額を入金します。最初は目安が分からないかもしれませんが、半年程度たてば「毎月の平均額」がうっすら見えてくるでしょう。それより少し多めに入金しておけば大丈夫です。

秘訣その4)修繕積立金を積み立てる
「大きな買い物」。これも家計簿つけのペースを狂わす大きな要因です。この話は、「大きな買い物とは、いくらの額を言うのか?」というコトから考え始めなければなりません。筆者の家(大人2人子供3人)の場合は、1週間2万5,000円の“現金”で暮らすことにしているので、1個(回)に3,000円以上になるものは、「大きな買い物」として日常の生活費とは別処理をしています。

別処理とは何か? それは「修繕積立金」という積立を毎月2万円して、そこから支払うことです。では、「修繕積立金」と「貯蓄」の違いは何か? 簡単に言うと、修繕積立金は使うことを前提に貯めているお金です。修繕積立金の積立額を上回って「大きな買い物」をしてしまった場合は、貯蓄から補填する。貯蓄から補填した分は、次のボーナス時には補填するよう心がけています。このように、「大きな買い物」を家計簿上、どのように処理するかを決めておくことも、家計簿つけのペースを狂わさない大きな秘訣です。

以上、4項目に渡って「家計簿が続かない~!」という人が陥りがちなポイントを整理してみました。7年間家計簿をつけ続けてみて思うのは、「家計簿つけとは、我が家の歩幅を知る作業」。1週間、1カ月、1年。そういった単位で、生活をするのに必要な費用を把握する、それが「家計簿をつける」ということです。

その根本さえ外さなければ、費目訳で迷ったり、合計金額が合わなくて悩んだりということは、枝葉末節なことだと実感できるはずです。こうしたことに振り回されて家計簿つけを断念するのは、もったいなさすぎる!と思います。

筆者プロフィール : 楢戸 ひかる(ならと ひかる)

1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。家事生活をブログ「家事マニア」にて毎週火曜日に更新中。