ここ最近、活発な動きが見られる「通話アプリ」。日本ではLINEが圧倒的シェアを誇りますが、世界と状況は異なるようです。海外で人気のある通話アプリの紹介をふまえ、今後について考えてみました。

話題の「Viber」と「WhatsApp」って?

2014年2月14日、楽天が海外で人気の無料通話アプリ「Viber」を買収すると発表。その10日後には、世界最大のユーザー数を抱える「WhatsApp」の買収をFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOが世界に向けて発信しました。

「Viber」はキプロスに本社を置き、Viber Mediaが運営する無料通話アプリの草分け的存在。Windows8やMac OS Xにも対応し、アプリを起動せずとも着信を受けられるのが他サービスと違うところ。世界で約2億8,000万人にのぼり、日本でも人気があります。

一方、「WhatsApp」は元Yahoo!の社員が2009年にスマホ向けに提供を始めたメッセージングアプリ。運営会社はアメリカのWatsApp Inc.。4億5,000万人ものユーザーを抱え、1日に送信されるメッセージは160億件、受信320億件、処理される画像は5億件と、桁違いの利用量です。

また、LINEでも行われているように、端末に保存されている電話帳を自動的にアプリに追加する機能はWhatsAppが最初に始めたものです。以降、多くの通話アプリが取り入れましたが、初期のユーザー獲得に大きな役割を果たしたのは言うまでもありません。

すべての始まりはSkypeだった

通話アプリの元祖とも言うべき存在として忘れてはいけないのが「Skype」です。2003年にスウェーデンで誕生した世界規模のインターネット通話サービス会社で、スマホ向けアプリも2009年からスタート。

現在はマイクロソフトの傘下にあり、Windowsのメッセージソフト「Windows Live Messenger」と統合。Windows8.1で標準装備され、Xbox360やPSP VITAなど、ゲーム機にも提供されています。

Skypeが登場した当初は、Skype同士なら無料でメッセージや通話が楽しめるインターネットサービスが主流でした。それが、インターネットを利用した通話サービス050IP電話の登場により、固定・携帯電話への発信や定額通話サービス、ビデオ通話が使えるようになり、今はアプリがSkypeの地位を脅かすまで成長しています。

スマホを持つことにより、ユーザーは携帯電話のときより確実に手にとっている時間が増えています。それは掌でできることが広がったからということにほかなりません。行動変化に応じたサービスにシフトするのは必然といえるでしょう。

さらにアプリは、更なる成長を迎えようとしています。Viberを買収した楽天の三木谷社長は「楽天IDでViberを利用できるようにし、ゲームなどのコンテンツを提供。その後はEコマースや金融などを扱う」と示唆しており、海外への事業進出に加え、楽天のプラットフォーム化を狙うとされています。

FacebookのザッカーバーグCEOは、WhatsAppの買収について「(買収額の)190億ドル以上の価値がある、非常に有望なサービスだ(2月24日基調講演より)」と話しており、LINEやKakaoTalkといった競合サービスを例に挙げ、ビジネス拡大における重要なポイントであると述べています。

また、今年中に「5億ユーザー獲得を目指す」と明言しているLINEも、国内外の固定電話や携帯電話と格安で通話できるサービス「LINE 電話」を発表し、世間の注目を一身に集めているところ。

スタート当初の枠組みを超え、プラットフォームと呼べる存在へと進化・融合している通話アプリの数々。SNS疲れが叫ばれる中、人と人を結ぶ基本であるメッセージや通話を行うこれらのサービス・アプリはさらに想像を超えた変化をし、私たちの生活に驚きや発見を提供してくれることでしょう。

記事提供:gooスマホ部

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