国立循環器病研究センター(国循)は2月25日、肉類の摂取を制限し、野菜、大豆を中心とした豆類、豆腐、精製していない全粒穀物などの植物性の食品を中心とするベジタリアン型の食事を摂ることと血圧降下とが関連していることを、過去の先行研究のデータをまとめて解析する「メタアナリシス解析」により明らかにしたと発表した。

成果は、国循 予防医学・疫学情報部の西村邦宏室長らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間2月25日付けでオンラインサイト「JAMA International Medicine」に掲載された。

高血圧はさまざまな循環器疾患のリスク要因といわれており、公衆衛生学的に重要な課題だ。植物性の食品を中心に摂取し、肉類の摂取を制限するベジタリアンの食事パターンが血圧降下と関連していることはいくつかの研究で指摘されている一方で、その反対の研究結果も発表されており、臨床での意思決定に必要なエビデンス(証拠)が不足している状況だった

西村室長らは、2013年11月までに医学論文データベース「Medline」および「Web of Science」に掲載された英文論文を系統的・網羅的に検索した結果、得られた258論文の内、参入・除外基準を満たした介入研究7編と観察研究32編のデータを集めメタアナリシス解析を実施。

介入研究7編の解析の結果、ベジタリアンの食事パターンはコントロール群と比較し、収縮期血圧および拡張期血圧ともに血圧降下と関連することを明らかにしたのである(画像1・2)。また、観察研究32編の解析においても、ベジタリアンの食事パターン群は収縮期血圧で6.9mmHg、拡張期血圧で4.7mmHg低いという結果になった。

画像1(左):ベジタリアンの食事パターンと収縮期血圧のメタアナリシス。ベジタリアンの食事パターン群では、収縮期血圧がコントロール群と比較して4.8mmHg低下していた。ダイヤはメタアナリシスによる統合した結果を示すものとしている。画像2(右):ベジタリアンの食事パターンと拡張期血圧のメタアナリシス。ベジタリアンの食事パターン群では、収縮期血圧がコントロール群と比較して2.2mmHg低下していた。ダイヤはメタアナリシスによる統合した結果を示すものとしている

植物性の食品を中心に摂取するベジタリアンの食事パターンは、複数あることから(乳製品や卵・魚を食べるベジタリアンの食事パターンもある)、今後は血圧降下との関連が強いベジタリアンの食事パターンを特定し、臨床現場でより具体的な食事指導につながる知見の構築を目指すとしている。