やめられない・止まらない! その過食に走る原因は……

「一度食べ始めると食欲が止まらない」「甘いものが大好きでやめられない」「生理前になると過食に走ってしまう」。それらは、脳内物質である“セロトニン”不足が原因かもしれない。

過食の原因は“セロトニン不足”!?

セロトニンは“安らぎホルモン”“ハッピーホルモン”などとも呼ばれ、精神を安定させたり、過度な食欲を抑えたりするなど、ダイエットにも関係する働きをもっている。このセロトニンが脳内で不足すると食欲が増進し、いくら食べても満足しない状態になり、ブレーキが利かなくなってしまうのだ。食欲をコントロールしているセロトニンが減少する主な理由は、以下の4つである。

1)ストレス
ストレスによってセロトニンは消費される。そのため、“ストレス食い”はセロトニンと関係している。

2)日光不足
昼夜逆転の生活をしている人や室内で過ごす時間が多い人は注意しよう。 緯度が高く日照時間の短い国の中には、「冬期うつ」と呼ばれる季節性感情障害が多く見られることがある。

3)偏食が過ぎる食生活
セロトニンの原料は「トリプトファン」という必須アミノ酸であり、セロトニンを合成するには、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムが必要となる。また、炭水化物はトリプトファンが脳内に取り込まれるのを助けてくれる。これらの栄養素が足りていないと、セロトニンが合成できず、結果、不足してしまう。

4)女性ホルモンのバランス
生理前に過食気味になる女性が多いのは、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が低下することと関係している。エストロゲンの低下とセロトニンの低下は連動しているため、生理前の時期はセロトニンが不足しやすくなる。

セロトニン不足で抑うつ症状にも

脳内物質のセロトニンが減ると食欲にブレーキが利かなくなるだけでなく、やる気や集中力が低下したり、イライラや寝つきが悪くなったりなど、抑うつ症状を引き起こすこともある。また、年齢とともに脳にいい生活を意識しないと、セロトニン分泌は徐々に低下してしまう。

セロトニンを増やす効果的な対策は次の3つ。日常に取り入れて、これまでの太る脳から “やせる脳”に切り替えよう。また、セロトニンが増加すると、ストレス解消や精神を安定させる効果も期待できる。

対策1)リズム運動をする
セロトニンを増やすには、一定のリズムで同じ動作を繰り返す「リズム運動」が効果的。歩く、走る、自転車に乗る、窓を拭くなどをリズミカルに15~20分行う。ヨガや深呼吸、フラダンスなども、セロトニンの活性化に役立つとされている。ながらではなくリズム運動していることに集中してやると、より効果が期待できる。

対策2)太陽の光を浴びる
朝日を浴びるとセロトニン神経が活性化する。毎朝、起きたらすぐにカーテンを開けて日光を浴びよう。起床から30分間がポイントだ。

対策3)たんぱく質を含んだバランスがいい食事は必須
バランスのとれた食生活がセロトニンを増やす基本。セロトニンの原料となるトリプトファンは、肉や魚、卵、大豆製品、乳製品など、たんぱく質を多く含む食物に含まれている。そのほか、合成に必要なビタミンB6(カツオやマグロ、サンマなどに豊富に含まれる)、ナイアシン(タラコやカツオ、マグロなどの青魚)もたくさんとるようにしよう。また、ビタミンD(魚介類に多く含まれる)は冬期うつ予防に役立つ。

ストレス解消=甘い物と考えがちだが、甘い物ではセロトニンは増えない。逆に甘い物でハッピー感が味わえると脳が錯覚をし、食べ出したら止まらない状態になってしまうので危険である。たまのご褒美はOKとしても、習慣化させないことがダイエットにも脳のためにもいいのだ。

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