計測機器大手のAgilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは2月19日、ジッター印加、8タップディエンファシス、妨害信号源、基準クロック逓倍器、クロックリカバリ、イコライゼーションなどの機能を1台に集約したビット誤り率測定(BERT)ソリューション「Agilent M8000シリーズ」を発表した。

アジレントのビット誤り率測定(BERT)ソリューション「Agilent M8000シリーズ」の外観

さまざまな次世代製品の開発において、PCI Express(PCIe)の高速化によるシグナルインテグリティの課題としてループバックパターンの作成の複雑化などが生じたりするようになってきたほか、携帯機器のMIPIインタフェースの採用による試験方法の複雑化、データセンターなどのバックプレーンやネットワークボードの広帯域化に伴う新たな測定機能の提供要求などが生じるようになっていた。

同シリーズの第1弾製品となる「M8020A J-BERT High-performance BERT」は、最大32Gbps(標準8.5Gbps)での動作、かつ最大4chのマルチレーンに対応しており、100Gbpsの通信測定にも適用可能だ。また、信号の自動内部校正により、高確度・高再現性の測定を実現している。

「Agilent M8000シリーズ」の概要。SiGeのプリアンプとInPのポストアンプを採用した独自のASICを活用することで、高速測定、高性能、機能の統合などを実現することができたという

さらに、対向相手となる測定対象物の信号を理解し、適切な応答を行うインタラクティブトレーニング機能を実装しているため、PCIeデバイスの試験における実環境に則した受信試験などを行うことも可能となっている。

目玉機能の1つで、対向相手となる測定対象物の信号を理解し、適切な応答を行うことを可能とするインタラクティブトレーニング機能

なお同社では同製品の市場として、データレートの高速化、マルチレーン/多ch化、データ転送のインテリジェント化などのニーズが高いモバイル/コンシューマ機器、コンピュータ機器、データセンター/クラウドの3つの分野を想定しているとする。

なお価格は、1チャネル 8.5Gbpsモデルで980万円(税別)から、32GHzモデルで3000万円程度(税別)から、となっているという。