ルールがわかれば、新たな観点でフィギュアスケートを楽しめる!(画像はイメージです)

日本勢のメダルラッシュが期待されるフィギュアスケートシングル。男子は日本時間14日から、女子は20日からショートプログラム(SP)が始まる。技の美しさに見とれてしまいがちだが、採点のルールを知れば、面白さアップは間違いなし。友人・知人に「これはね……」なんて"プチ解説"もできるので、競技開始前にしっかり覚えよう。

採点ってどうやって決まるの?

まずは採点ルールからだ。採点は技術面を表す「トータル・エレメンツ・スコア(技術点)」と芸術面を表す「プログラム・コンポーネンツ・スコア(演技構成点)」の2つから成る。

技術点は「基礎点」と「GOE」によって決まる。基礎点はジャンプやスピンなどの各要素(エレメンツ)の難易度によって異なる。例えば、浅田真央選手が得意とするトリプルアクセルの基礎点は8.5で、3回転トウループ(4.1)や3回転サルコウ(4.2)の倍以上もある。ジャンプが回転不足だと、基礎点は減点される。

GOEは、その各エレメンツの出来栄えに応じて加減される点数のこと。「-3~+3」までの7段階あり、例えば転倒をした場合は「-3」となる。実際のGOEは複数のジャッジによってもう少し複雑に算出されているが、技術点は技の難易度に基づく基礎点と、技の出来ばえに基づくGOEを足したものということを押さえておこう。

また、演技の後半はジャンプの基礎点が1.1倍になるため、その成否が大きくスコアに直結する。団体男子シングルSPでは、羽生結弦選手が10人中で唯一、後半に2つのジャンプを組み込み、97.98をマーク。2位のエフゲニー・プルシェンコ選手(ロシア)に6点以上の大差をつけた。

一方の演技構成点は男女シングルの場合、「スケーティング技術」「技と技のつなぎ」「演技力」「振り付け」「(競技で使用している)音楽の解釈」の5つによって構成されている。各項目は10点満点で、0.25点刻みで採点する。演者の表情や動きの激しさ、フットワークが曲のクライマックスと序盤・終盤で異なるのは、この演技構成点を意識してのものと思われる。

この技術点と演技構成点を選手ごとに見ていけば、「あの選手は技術面と芸術面のどちらにも優れている」「あの選手の場合、技術面は傑出しているが、芸術面がもう一つなんだな」などと一目瞭然で、今まで以上に楽しくフィギュアスケートを観戦できる可能性大だ。