Mozillaはより安定した収益源の確保とエコシステムの構築を目指して新しい取り組みをはじめている。Mozillaブログに掲載された記事「Publisher Transformation with Users at the Center」がこのあたりの事情を説明している。Mozillaは資金の大半をGoogleから得ており、安定的に開発を継続するために収益源の多角化が望まれている。

記事で紹介されているアイディアおよび機能は「ディレクトリ・タイル(Directory Tiles)」と呼ばれている。新規タブページを開いたときに現在はこれまでに訪れたサイトが9個表示されるが、これをスポンサーサイトや位置情報から関連するサイトを表示するようにしよう、という内容になっている。Firefoxが支援に値するプロジェクトであることを多くの企業に価値として感じてもらい、スポンサー企業を増やしたい狙いがあるものとみられる。

現在のDirectory Tiles(Mozillaブログから)

オープンソースソフトウェアは世界中で活用されており、現在の企業活動はもはやオープンソースソフトウェアなしには存在しえない状況になっているが、オープンソースソフトウェアを開発しているプロジェクトは「資金」という問題を常に抱えている。先日、OpenBSDプロジェクトが支援金不足から電気代が支払えないというがメーリングリストに投稿されていたが、重要なソフトウェアであってもプロジェクトの運営が困難なケースもある。

FirefoxはWebブラウザおよびモバイルデバイス向けの基盤ソフトウェアとして重要なポジションにあり、安定した資金基盤を持つことは今後の開発継続において重要といえる。