アドバンテストは2月6日、次世代高速メモリの試験向けにメモリテストシステム「T5503HS」を発表した。

モバイル端末やサーバ、PCをなどの高速化、高機能化に伴い、それらに使われるDRAMも、より高速かつ大容量のLPDDR4-SDRAM(LPDDR4)/DDR4-SDRAM(DDR4)への移行が見込まれている。モバイル端末市場を軸に、今後これら次世代DRAMが世界規模で大きく普及するものと予想され、デバイスメーカーでは量産体制構築に向けた準備が進められている。そうした中、テストシステムにはさらなる高速化、高機能化およびテストコストの削減が求められている。

同製品は、次世代高速メモリDDR4-SDRAMのパッケージ試験において、最大512個の同時測定が可能な他、DDR4/LPDDR4の最高動作周波数4.266Gbpsを上回る最高速4.5Gbpsでの高速試験を実現している。また、高速動作を保証するため、DDR4-SDRAMには、データ誤りを自動検出するCRC(Cycle Redundancy Check)やCA(Command Address)パリティなどの機能が追加されている。「T5503HS」はこれらの機能に対応するため、データコードやアドレスデータに合わせて、CRCコードとパリティを自動生成する機能を搭載している。複雑化するテスト用プログラムの開発の効率を上げることで、ユーザーの負担を軽減し早期の製品投入に寄与するとしている。

さらに、ソースシンクロナスをリアルタイムで実現し、ポスト処理で行っていた従来システム比でスループットと歩留りを向上させたのに加え、タイミングトレーニング機能をハードウェアで実現し、従来のソフトウェア処理と比較して試験時間を大幅に短縮した。この他にも、DBI(Data Bus Inversion)、入力レベル個別設定、I/Oデッドバンドキャンセラなどの機能も備え、DRAMのテストに最適なシステムとなっている。

「T5503HS」は、「T5503」と同一のプラットフォームを使用している。これにより、既存の「T5503」を最小限の設備投資で「T5503HS」へアップグレードすることができる。なお、出荷開始は2014年6月を予定している。

アドバンテストの次世代高速メモリ向けテストシステム「T5503HS」