神戸製鋼所は1月28日、次世代自動車振興センターが公募を行い、第一期の商用水素ステーションとして決定した東京ガスの「練馬水素ステーション(仮称)」向けに、主要機器である高圧水素圧縮機「HyAC」およびマイクロチャネル熱交換器「DCHE」を受注し、2014年に納入する予定であることを発表した。

同水素ステーション用高圧水素圧縮機は2012年度に開発を完了し、これまでに実証試験用水素ステーション向けに2台の納入実績がある。今回の採用決定は、その納入実績が評価されたものだという。

また、圧縮機には冷却用として熱交換器が必要となるが、従来はコンパクトなものがなかったため、熱交換器だけで大きなスペースを占め、水素ステーションの省スペース化の課題となっていたが、今回採用されたDCHEは、従来品比で同等性能を実現しながら設置サイズを1/30~1/100までコンパクト化することを可能とした。また、同ステーションに納入されるディスペンサーに搭載される熱交換器にも、ディスペンサーメーカーと共同で開発したタイプのDCHEが同時に採用される見込みだという。

燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が設定したシナリオでは、2025年度までに1000基程度の水素ステーションの設置が予定されており、今後インフラ整備が急速に進む計画となっていることから、同社でも、こうした主要機器のほか、ステーション全体のエンジニアリング事業や充填シミュレーション技術などを含め、水素インフラ整備に向けた取り組みを進めていく方針としている。

水素ステーション用高圧水素圧縮機「HyAC」のイメージ図

マイクロチャネル熱交換器「DCHE」の外観