急ピッチで企業買収を行っている米Googleが新たに英国ベースのベンチャーDeepMindを買収する。DeepMindはゲーム開発者のDemis Hassabis氏らが立ち上げた人工知能(AI)技術開発企業。買収金額など詳細は非公開だが、一部報道では4億～5億ドルと買収金額を予想している。

米メディアのRe/Codeが1月24日付で報じた。同紙の問い合わせに対し、GoogleはDeepMind買収を認めたという。Re/Codeは著名なハイテクジャーナリストWalt Mossberg氏らが手がけるALl Things Digitalの後継で2014年にスタートしたオンラインメディア。

DeepMindを創業した一人が、Demis Hassabis氏。13歳にしてチェスのELOレーティングで2300を取得してマスタースタンダードに到達、またゲームなどのマインドスポーツ大会Mind Sports Olympiadで5回優勝するなどの経歴を持つ人物。現在37歳で、ゲーム開発、神経科学者、AI専門家でも知られている。AIプログラマとしてキャリアをスタートした後、1998年にゲーム企業Elixirを立ち上げ「Republic: The Revolution」などをリリース、その後AIの世界に戻ったという。

Hassabis氏のほか創業者として2名の名前があり、「アイコン的な技術起業家と投資家の支援を受けている」とWebサイトで述べている。自社事業については「機械学習とシステム神経科学の良い部分を組み合わせ、パワフルな汎用目的の学習アルゴリズムを構築する」としており、シュミレーション、電子商取引、ゲームを最初の応用分野にあげている。

Re/Codeでは、この買収はCEO兼共同創業者のLarry Page氏が中心となって進めたものとする情報筋の話を紹介しており、AI分野の専門家の獲得が主な目的ではないか予想している。