フリービットは22日、佐賀県唐津市と、2013年6月に合意したコンパクトスマートシティサービスにおける実証事業の第一弾として、唐津市の既設光ファイバーインフラとフリービットのMVNOインフラ(YourNet MVNO Pack)を活用し、一般邸宅に住む高齢者の方々を対象に「サービス付き高齢者向け住宅」における安心見守りサービスと同様のサービスをICTで提供することを目指す「高齢者向け安心見守り・健康相談システム」の実証実験を開始すると発表した。

「高齢者向け安心見守り・健康相談システム」では、『高齢者向け安心見守り・健康相談システム』、『「生活相談」支援サービス』、『「安否確認」支援サービス』などのサービスを提供する。

高齢者向け安心見守り・健康相談システムの相関図

▼『高齢者向け安心見守り・健康相談システム』 専門的な判断が求められる予防/健康チェック分野に特化した「生活相談」支援サービスとセンシング技術を活用した「安否確認」支援サービスを提供することで、健康かつ自立した高齢者の生活を支援。

実証実験では、機器の設置1時間で、独居高齢者が住む一般住宅を擬似的な「サービス付き高齢者向け住宅」に変え、サービスを提供していく。

▼『「生活相談」支援サービス』 (1)独自健康チェックアルゴリズムによる健康相談システム

高齢者宅に専用タブレットを配布し、インストールされたアプリケーションから自分1人で24時間365日、健康に関するセルフチェックを行う。質問に答えることで重篤度を判定し、利用者である高齢者に、「受診の推奨時期」、「推奨診療科」、「症状に対する処置対応」といった情報を提供する。

同社では同サービスの提供にあたり、専門医の診断に至るロジックを「独自健康チェックアルゴリズム」としてシステム化。表示される推奨診療科から佐賀県医療機関情報・救急医療情報システム「99さがネット」のデータベースと連動し、シームレスに佐賀県内の病院・診療所情報を確認、連絡をすることができる。

(2)健康相談コールセンター

(1)の健康相談システムをSiLK Hotlinesコールセンターのオペレーターを通じて行うことが可能。タブレット端末の操作が苦手である高齢者や、端末が手元にない場合でも、電話一本で自身の健康状態から病院情報の提供までをサポートする。

▼「安否確認」支援サービス「安否確認」支援サービス (1)見守る側にも見守られる側にも優しい独自センシング プライバシーに配慮した、次の3種類のセンサーが高齢者の安否を見守る。

A)μ波ドップラーセンサー 周波数運動の検知で、対象者の体動と呼吸をサーバにアップロード。独自の判定アルゴリズムによって異常を検知し、家族等の見守り担当者に確認依頼のメールが自動的に送信する。

B)Kinectセンサー 対象者のモーションを検知し、骨格映像のみをサーバにアップロード。撮影映像をそのまま見られてしまうネットワークカメラ等に抵抗がある高齢者でも、見守る側が「プライバシーに配慮した形で」遠隔での映像確認を行える。

C)独自の環境センサー 実証事業期間中、高齢者宅に設置した独自の環境センサーを含む各種センサーと健康器具から取得する生体データを収集し、大規模クラウドサーバによるビッグデータ分析を施行。独自の環境センサーは、温度・湿度・照度・モーション・気圧・集音といった、家庭内の環境についてセンシングする機能を備えている。

(2)常に見守れる唐津スマホ 地域MVNOによって、市民に実証期間中、「無料」スマートフォンを提供することが可能。実証事業で使用されるスマートフォン「唐津スマホ」では、ワンタッチで、高齢者の体動と呼吸の状態を常に確認でき、異常時にすぐに連絡することができる。

同社では実証事業期間中、高齢者宅に設置した独自の環境センサーを含む各種センサーと健康器具から取得する生体データを収集し、大規模クラウドサーバによるビッグデータ分析を実施。環境データと、人体の持つ生体データをそれぞれセンシングし、それらの各種相関関係を分析するとしている。

なお、同実証事業は、総務省が進める「ICTスマートタウン」の実現に向けた「ICT街づくり推進事業」の委託事業として行われ、来年度に事業化を目指す。