米Intelと米Verizonは1月21日(現地時間)、Intel Media事業をVerizonが買収することで合意したと発表した。買収の条件は公開されていない。取引は規制当局の承認を必要としているものの、2014年第1四半期の前半には完了する見通しだという。

Intel MediaはIPTVプラットフォーム「OnCue Cloud TV」の製品およびサービスを開発している。Verizonは同プラットフォームに必要な知的財産権および資産を取得。同事業に関わる約350人のIntel社員は全てVerizonに移る。

Intel最高経営責任者であるBrian Krzanich氏は、「Intel MediaのOver-the-Top TV製品は真に革新的なものであり、Verizon傘下になることは、人々がコンテンツとインタラクトする方法が変わる可能性を示す」と述べている。約1年前に、Intel Mediaの責任者であるErik Huggers氏がIPTV向けセットトップボックスと、テレビ番組や録画番組の視聴に対応するフル機能のTVサービスを提供する計画を明らかにした。その後、コンテンツのライセンス獲得に難航。売却の可能性が報じられるようになった。Verizonは、すでに光ファイバーネットワークFiOSを通じたTVサービスを提供している。現段階でサービス提供地域は限られるものの、Intelよりもライセンス契約の問題をクリアしやすい。「買収完了後に、VerizonはFiOSビデオにIPベースのTVサービスを統合し、従来のケーブルTVサービスとの違いをより明確にする」としている。

米国では21日に、Amazon.comがオンラインTVサービスの開始に向けてエンターテインメント大手との交渉を開始したとWall Street Journalが報じた。セットトップボックスの開発も進めているという。2014 International CESではソニー・コンピュータエンタテインメントがクラウドベースのTVサービスを展開する計画を明かした。映画・TV番組のストリーミングサービスで米最大手であるNetflixの参入も噂されており、米国においてクラウドTVを巡る競争が本格化し始めた。