デンソーは1月21日、小型車から高級車まで共通して搭載できる次世代カーエアコンユニットを開発し、2013年に発表された新型ハリアーや、2014年1月に発表されたノア、ヴォクシーに搭載されたことを発表した。

カーエアコンユニットは従来、車種ごとにサイズや構造などが異なっており、個別に開発する必要があったが、開発品は、共有可能な構成部品であるエアミックスドアやサーボモータ、ブロワファンなどを新たに開発しなおし、従来製品比で20%の小型化を実現し、標準化を可能とした。

具体的には、エアコンから吹き出る空気の温度を調節するためのエアミックスドアでは、高度な成形技術により、従来に対し半分の薄さを実現し、ユニットの奥行きの小型化および軽量化を図ることを可能とした。

また、これまで複数個付いていたドアを動かすためのサーボモーターについては、エアコンユニットの構成部品を標準化したことにより1個に統合することに成功。これにより、さらなる小型化が可能となった。さらに、ブロワファンはファンの翼形状を風の流れに最適な形に設計することで、送風能力を維持しつつ、従来よりも15%小型化しながら、消費電力を20%低減することにせいこうしたという。

なお同社では、この次世代エアコンユニットについて、エコカーにも対応可能だとしており、例えば、アイドルストップ車では、エアコンケース内のエバポレーターを蓄冷エバポレーターに、ハイブリッド車や電気自動車にはヒーターコアを置き換えヒートポンプエアコンに、また、車室内の空気循環と外気を車内へ取り込むことを同時に行う、内外気二層構造へ変更することで低熱源車両にも対応できるとしている。

開発されたカーエアコンユニットの構造

エアコンユニット内部の側面図

開発されたカーエアコンユニットの外観