「現役引退後の生活に不安がありますか?」(左)、「不安があるとすれば、どのような点ですか?」(右)

日本プロ野球機構はこのほど、現役若手プロ野球選手に対して実施した「セカンドキャリアに関する意識調査」の結果を公表した。同調査は、昨年10月に行われた若手育成用のフェニックスリーグに参加した選手を対象に、無記名記入方式のアンケートで実施。18~30歳を対象に、239人の有効回答を得た。平均年齢は23.4歳。

平均年俸は944.6万円

「現役引退後の生活に不安があるか」と聞いたところ、73.9%が「はい」と回答した。また、「不安がある」と答えた選手に「不安に感じる理由」を聞いたところ、「収入面」と「進路面」を合わせて90.5%という結果になった。

年代別の不安の度合いを聞いてみると、年齢が上がるとともに「不安」と回答する選手の割合が増加していく傾向にある。ただ、20歳前後の入団間もない選手も、3人に2人が引退後の生活に対して早くも不安を抱いていることがわかる。

また、年俸別で不安の度合いも聞いてみた。今回の239人の平均年俸は944.6万円。これは昨年9月に国税庁が発表した、2012年の給与所得者の平均給与(正規)の468万円の約2倍にあたる。ただ、年俸が高い選手ほど、引退後の不安要素に「収入」を挙げていることから、意識調査では「現年俸の高さが不安払拭(ふっしょく)につながっているわけではないと思われる」としている。

年代別不安グラフ(上)と年俸別不安グラフ

依然として指導者への転身が人気

「プロ野球選手を引退した後、どのような仕事をしてみたいと思うか」を聞いたところ、「指導者」を選ぶ選手が多い結果となった。これは、前年度の調査の結果と比べても、指導者指向が強くなっている傾向にあるとしている。特に、「資格回復の上、高校野球指導」を「やってみたい」とした選手は、前年度29人から41人に増加した。

やはり、引退後も野球に携わりたいと考える選手が多いようだ

同調査の詳細は、日本プロ野球機構のWEBサイトで閲覧することができる。