より良い生活のために、自治体は様々な助成を行っている

世の中には、個人が使える助成金制度が意外と数多くあるのはご存じですか? こういった制度は申請しないともらえないものも多く、「実は権利があったのに、もらっていなかった……」なんていうのはもったいない! 一度、自分が使える助成金制度を調べてみませんか?

住居費では家賃や住宅ローンも

生活していく上で、住居費は大きな負担です。そこで住居費の助成について、まずは調べてみましょう。各種助成制度が充実しているのは新宿区。住居費の助成はファミリー世帯や老人世帯へのものが多い中、新宿区には学生及び働いている単身者の助成があります。詳細はこちらを参照してください。

ユニークなのは北区。ファミリー世帯であることが条件ですが、住み替えした際の家賃の差額の助成を行っています。また、転居費用のうち、礼金・仲介手数料の合算額(上限30万円)を助成する制度もあります。詳細はこちらを参照してください。

住居費は「家賃」だけではありません。住居取得を考えているなら、住宅ローンに対しての助成も調べてみましょう。大阪市では、新婚・子育て世帯で条件を満たした世帯を対象に、住宅ローンに対して年0.5%以内、5年間の利子補給を行っています。詳細はこちらを参照してください。

健康診断費は無料のもある

助成金といえば、自治体の健康診断費の助成は見逃せません。例えば、筆者の住む武蔵野市では胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、の検診が無料で受けられます。乳がんは視触診と乳房X線撮影(マンモグラフィー)込みで1,000円。マンモグラフィーは、普通の病院で受けると5,000円~1万円程度かかる精度の高い検査です。詳細はこちらを参照してください。

そうは言っても忙しい会社員。健康診断に行くこと自体を後回しにしがちです。脅す訳ではありませんが、例えば乳がんを初期発見した場合、治療費の目安はおよそ79万円です(がん治療費 com.の乳がん0期で試算)。健康のリスクヘッジとして民間の医療保険に入ることも大切ですが、本来は定期的な健康診断を受けてこその健康です。自分の住んでいる自治体が行っている検診助成の内容、申込期日は是非ともチェックしてみてください。

子育て助成は定期的にチェックを

子育て分野の助成金は、日進月歩で進化しています。子供が生まれれば、自分が住んでいる自治体の助成内容を一度はチェックするでしょう。ですが、年度が替われば新たなサービスが加わっている可能性もあります。

例えば杉並区では、子育て応援券をどこで使えるかを検索することができます。「あそこのお店でも使えたのに!」なんてことがないように、自分の行動範囲内での助成金もらい(使い)漏れのないよう、自治体のHPを時々のぞいてみるのもいいでしょう。

仲人へ!? 地域に根ざした助成

多くの自治体で行っているのが、猫や犬の去勢・不妊の助成です。「飼い主がいる・いない」「去勢・不妊」「犬・猫」などにより、助成内容は自治体によって異なります。生ゴミ処理機の助成もよく聞きますね。これも「電動型・コンポスト型(屋外型)」などによって助成金の割合や上限が違う自治体が多いようです。

この他、ブロック塀を生け垣にした際の助成(例:三鷹市)や、スズメバチの巣の駆除費用の助成(例:大分市)、面白いものでは結婚の仲人をした人への助成金(例:広島県神石高原町)などもあるようです。

こうして調べてみると、助成金は「世の中がこういう方向に向かってほしいな」という分野に投入されていることが分かります。いわば助成金は人生の道しるべ。きちんと調べて使いこなすことで、自然と人生の質がグレードアップできるのかもしれません。

※情報は平成25年1月14日現在の各自治体ホームページを元にしています

筆者プロフィール : 楢戸 ひかる(ならと ひかる)

1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。家事生活をブログ「家事マニア」にて毎週火曜日に更新中。