「第一回エクストリーム出社シンポジウム」

2013年に様々な雑誌やニュースでとりあげられ話題となった「エクストリーム出社」。「早朝から観光、海水浴、登山などのアクティビティをこなしたのち、定刻までに出社をするエクストリームスポーツ」(エクストリーム出社協会)であり、一部のビジネスパーソンから熱い支持を受けている。

何と2014年1月15日には『サラリーマンは早朝旅行をしよう! 平日朝からとことん遊ぶ「エクストリーム出社』(SB新書/767円)という新書まで出てしまうという。新年からエクストリーム出社をやってみたい…という人に向けて、先日行われた「第一回エクストリーム出社シンポジウム」の様子をお届けしよう。

会社経営者も交えた豪華メンバーで語り合う

アップルストア銀座で開催されたため、ジョブズスタイルだったエクストリーム出社協会 共同代表の椎名さん。後ろの画面に写っているのは同じく共同代表の天谷さん

同シンポジウムは2013年12月15日、アップルストア銀座にて行われた。登壇したのはエクストリーム出社協会 共同代表 天谷窓大氏、同 椎名隆彦氏、株式会社タニタ 創業ファミリー、現筆頭株主/ヘルスケアオンライン株式会社 代表取締役社長 谷田昭吾氏、ヤフー株式会社 朝日勝雅氏、株式会社HDE代表取締役副社長/イクメンター/日本エクストリーム出社協会ワークスタイル担当 宮本和明氏の5人。経営者も交えた豪華メンバーで、エクストリーム出社の良さについて語り合った。

朝9時という、まさに多くの会社の出勤時間ともいえる時間帯から始まった同シンポジウムだが、登壇した5人は既に羽田空港で日の出を見てから銀座に来ているという。何てアクティブ! エクストリーム出社は「朝起きて出社する過程の中でどれだけ遊べるか」が鍵となり、そのアクティビティは大きく3つに分けられるというのだ。

(1)インドア系
映画を一本見てから出社する、イタリアンのフルコースを作って食べてから出社する、など家の中でできるもの。

(2)タウン系
史跡めぐり、市場で朝ごはんなど、電車やバスなどを使って街を楽しみつつ行うもの。

(3)トリップ系
温泉に行ってから出社、激流をカヌーで下ってから出社など、出社なのか旅行なのか…というもの。

「羽田空港に行って日の出を見る」は(2)タウン系+(3)トリップ系といえそうだ。まずは簡単なものから始めてみて、慣れてきたらいろいろ挑戦してみるのがいいだろう。

朝から疲れそう…パフォーマンスはあがるのか?

「エクストリーム出社で仕事のパフォーマンスがあがるのか?」という質問に対しては「仕事がつらいときでも、『明日はエクストリーム出社するんだ』と思うと遠足前のような気分。起きたら楽しいことが待っているんだと思えて、朝型の人間になれた」(天谷さん)「エクストリーム出社をした日は朝テンションが高くて、これを『出社ーズハイ』と呼んでるんですが、その流れで集中力が高まりました。ちょうど定時くらいに電池が切れます」(椎名さん)と同協会のお二人。「エクストリーム出社してきた人は朝から声がでかい」という意見もあった。

また、朝日さんはFacebookに書き込んだところ広報の方に取り上げてもらったり、「社長がカジュアルにコメントをくれた」ということもあったそう。

朝日さんが行った「山手線を自転車で一周する」というエクストリーム出社。アプリを使って、自分が走った道がきれいに円を描いているのがわかる

経営者に怒られたりしないの?

「経営者側から見たエクストリーム出社」については、「遅刻や居眠りは論外だけど、成果がちゃんと出ているかという点から見れば何の問題もない」と宮本さん。実際に息子さんと公園で遊ぶ、保育所に送り届けるなどしてからスカイプで会議の後出社…など、かなり柔軟性のある出社方法を採用している。

「エクストリーム出社してくる社員のことを、経営者はどう思っているのか?」

また谷田さんは「これからの企業がイノベーションしていくための素地をつくれる可能性がある」と指摘。自分の会社以外の人との新しい出会いが生まれることも大切だと語ってくれた。

「エクストリーム社員旅行」「エクストリーム出社テーマソング」などの展開が飛び出しているエクストリーム出社。「これからはアフター5の意味が変わるかもしれない」「"渋谷で5時"も朝の5時で(笑)」と新しい定義も飛び出す中でシンポジウムは終了。既に募集は終了してしまったが、1月6日に行う「エクストリーム茶会」など、2014年も同協会主催のエクストリームイベントを企画しているという。興味を持った人は参加してみることから始めてみても良いかもしれない。