歌手の小林幸子が12月31日、東京・六本木のニコファーレにて開催された「ニコニコ年越し! 小林幸子カウントダウンLIVE」に生出演を果たし、「幸子城」と銘打った衣装やさまざまな映像演出で視聴者を驚かせた。番組終了時点で、番組の総来場者数は85万4,946人、総コメント数は26万7,167コメントを記録した。

六本木ニコファーレにて「ニコニコ年越し! 小林幸子カウントダウンLIVE」を開催した小林幸子

発表から話題となっていた「幸子城」は、世界初となるVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、プロジェクションマッピング、ライブ会場に360度に敷設されたLEDパネルへの映像投影など最新の映像演出技術を駆使して、計8パターンに進化する新作衣装も披露。まず、21時からは「鳥羽水族館」の深海生物「ダイオウグソクムシ」の定点生中継が放送され、オープニングアクトとして相変わらずの人気でニコ生視聴者を沸かせていた。

そして、年越しを間近に控えた23時20分、東京の街の上空から六本木に建立された「幸子城」へと降りていくオープニングから番組はスタート。豪華絢爛な幸子城が映し出されると、ニコ生視聴者からは早速弾幕が乱れ飛び、「幸子城」に導かれたユーザーを最初に待っていたのは、一の間「祭り」宴会場。赤と金で彩られたゴージャス空間に金箔のふすまが出現し、黄金の衣装に身を包んだ小林が降り立ち、「ぼくとわたしとニコニコ動画」を軽やかに歌い上げた。

小林は、ニコ生視聴者に「カウントダウンライブは初めて。皆さんと一緒に新年を迎えられたら」とあいさつ。その後は映し出されたふすまが開き、幸子城の二の間へ向けて階段を上がっていく。二の間は、椿や雪、結晶が浮かんでは消えていく幻想的な空間。背後に天の川が流れる中、小林は「雪椿」「さよなら ありがとう」を熱唱し、大喝采を浴びていた。

ここでライブは一時ブレイク。スカイプを使ってのユーザートーク企画が行われ、小林と視聴者が生電話。視聴者に対して優しく語りかける小林にニコ生ユーザーからは「ラスボス優しい」「幸子さんかわいい」「幸子さんいい人」といったコメントが寄せられた。続いては小林が城のバルコニーに出て、町並みの屋根の上を歩きながら「時の流れに 身をまかせ」を凛と歌い上げる。夜景のきらめくビル群を飛んで行く演出に、ニコ生視聴者からは「すごすぎィ!」「ハイテクwww」といった声が上がった。

番組の盛り上がりも最高潮に達したところで「幸子城」のプールの水面が割れ「テラ幸子」が登場。かつて『紅白歌合戦』で披露した衣装「メガ幸子」を超えるインパクトで出現した「テラ幸子」を隣に従え、小林は「おもいで酒」を披露した。ここでドワンゴ取締役の夏野剛氏が登場し、4月26日、27日に開催される「ニコニコ超会議3」にて「ニコニコ超パーティーIII」が開催されることが明らかとなり、さらに小林も同イベントに出演することが決定。ここで再び小林が姿を見せ、今度は「蛍の光」をしっとりと歌い上げる。それと共に、「ニコニコ動画」で今年1年起こった出来事がビデオウォールで流れ始めた。

そしていよいよ年越しの瞬間に。小林と運営チームと共にニコ生視聴者からはカウントダウンの数字が書き込まれ、全員が心を一つをにしてその瞬間を待ちわびる。5、4、3、2、1……2014年を迎えた瞬間、ニコファーレならではの最新映像演出で夜空に花火が打ち上がり、大盛り上がりの中、2014年がスタートした。

無事に年が明けると再びライブへ。巨大な羽根を広げた小林が「風といっしょに」を歌い、ペガサスと共に空中を飛翔していく。ラストは、美しい桃源郷に舞い降りた小林が桜吹雪の中で、ボーカロイド楽曲で神曲ともよばれている「千本桜」を熱唱。幸子城を舞台にした壮大なカウントダウンライブは、大盛況のうちに幕を下ろした。

なお、カウントダウンライブ前の囲み取材で記者から「生き生きとしていて、新しい楽しみを見出したように見える」と話しかけられ、「今年投稿した動画が140万回も再生されていて、応援していただいてありがとうございます。200人のスタッフが作った世界初の試みということで、ワクワクどきどきです。城というコンセプトは初めてです」と盛り上げてくれたニコニコ動画のユーザーとスタッフに感謝し、「いろいろなことにチャレンジし、ペガサスのように世界に向けて羽ばたきたい」と2014年のさらなる飛躍を語っていた。同席した夏野氏も「用意していた予算を上回った、某番組と張るくらいの話題にしたい」「経済はアベノミクスで今年発展したので、日本が世界で戦える技術としてデジタルとライブの融合で文化の発展を目指したい」と話している。