2014年8月に公開されるシリーズ初となる3DCGアニメーション映画『STAND BY ME ドラえもん』の未完成試写会が著名人10人を招いて行われ、作品の印象を語っている。

STAND BY ME ドラえもん

本作は、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『friends もののけ島のナキ』を手がけた山崎貴監督、八木竜一監督のコンビが手がけ、監督はふたりの連名で、脚本は山崎監督が担当している。キャラクター造型には1年以上を費やし、表情や動きなど徹底的にリアリティを追求。子ども時代に誰もが一度は憧れた「ひみつ道具」をリアルに体感できる、懐かしくも新しい、ドラえもんを描く。脚本は、原作の中でも名作と言われる作品をベースに新たな要素を加えて再構築し、本来の『ドラえもん』の良さを再認識できる作品を目指しているという。

未完成試写会は2014年8月の映画公開に先がけて、計3回にわたって実施していく。企画の経緯として本作のクリエイティブ・ディレクターを務める佐々木宏氏は、「よくある完成披露試写会直後の口を揃えての大絶賛コールCMは好きじゃないので、こういう通常なら観ることのできない、まだ全然できていない段階の映像制作の舞台裏を観てコメントを頂くのはどうだろう?」という想いから立案し、「『のび太としずかちゃんの恋のゆくえ』と『のび太とドラえもんのはじまりと終わり』。このふたつのラブストーリーをみなさんはどう感じるか……。とにかくまず、正直な感想を言ってくれるだろうなと思う人にお声かけをしました」と話している。

第1回目の今回は2013年12月に行われ、6分間のメイキング映像を公開。秋元康(作詞家)をはじめ、大久保佳代子(タレント)、黒柳徹子(女優)、小山薫堂(放送作家)、田村淳(タレント)、豊田章男(トヨタ自動車社長)、羽鳥慎一(フリーアナウンサー)、前田敦子(女優)、森永卓郎(経済アナリスト)、ローラ(タレント)と"10人の子ども経験者"が選ばれ、6分間のメイキング映像視聴後に率直な印象を語っていった。

秋元康(作詞家):周りがもっと刺激をとか、もっと奇をてらったことをやってるときに、ドラえもんがラブストーリーという一番わかりやすい物語に戻っているのはすごく面白いなと思いましたね。望みがいろいろ叶うのに、ドラえもんでもコントロールできなかったことが、その人間の心なんだとかいう意味では、すごく面白い。また、ひとりの女性としての生き方として、しずかちゃんタイプかどうかっていうのが飲み屋で語られるようになると思うんですよね。いろんな意味で、相当クオリティー高い作品です。

大久保佳代子(タレント):周りのアラフォー独身女子たちは、仕事も大変だし、恋愛も上手く行かなくてギスギスしている人たちが多いので……これを観たら心が穏やかに、ドラえもんのように丸くなれそう。出木杉とのび太のどちらを選択する? 想像するに、最初に出木杉くんと付き合うけど、振り回されたり、自分に自信がなくなって、別れてしまい、ふと見たらのび太がそばにいて、常にそばで見守ってくれて、のび太に落ち着くんだと思います、それが私ですね(笑)

黒柳徹子(女優):やっぱりみんなこれを見ていてそうだ、こういうことがあったって、僕たちはみんな昔は子どもだったんだ、っていうことをこれで思い出すのもね、すごくいいと思います。こんなに平和的で面白い可愛いものって少ないですものね。ちょっと顔がなんか今風っていうか、目が大きい。いいんですけど、あんな大きい目の人はいないので。前の顔の方がいいな~なんて……まぁ今の若い子はどうなんでしょう。藤子さんはあっちで「へ~こんなにやってるんだ」ってお喜びだと思いますよね。

小山薫堂(放送作家):のび太君に感情移入してしまいまして、自分の子供の頃に似ているような、いつもドラえもんがいたらいいなと思ってました……自分の時間を巻き戻されたような感じがしまして、ラブストーリーって一歩間違えるとものすごく安っぽくなる気がするので、それを山崎さんとかがどうもっていくのか楽しみです。未完成試写会って企画、ちょっと嫉妬しますね。こういうやり方ってあまりないので、ズルいなって思いました。ドラえもん卒業生が全部集まる同窓会のような感じになるんじゃないかなと思います。今までの倍くらいいくんじゃないですか? これ世界でもかなり受けるんじゃないですかね。

田村淳(タレント):俺の好きなスネ夫がすごい気になりますね。スネ夫の声優オーディションも受けたことがあるので(笑)。雪山でしずかちゃんが遭難っぽいのして意外と大人でもハード目の恋してるな。のび太が大丈夫かなって心配になったり。3DCGだとドラえもんのさらなる向こう側のものが見えてきて、いろいろ頭の中で想像していたのが正解で出てくるわけで。思い描いていたよりも、タケコプターってすげぇんだなって。ただ懸念点は、一度この3Dのドラえもんを観ちゃうと、3D観てないんならドラえもん語るなよっていうヤツ出てきそう。

豊田章男(トヨタ自動車社長):夢って自由ですね。空を飛んだり、時間を越えたり、ドアを開けて遠い国に行ったり。それを実現したいという想いが、努力や工夫、情熱なんだと思いますね。ドラえもんは、子供たちの夢を無限に大きなものにしてくれるし、みんなドラえもんに出会って育ってきたと言ってもいいくらい。そんな出会いがあったからこそ、日本独創の技術や技能、イノベーションが生まれてきたのかもしれないなと。ドラえもん、ありがとう。日本が「もっといい日本」になっていくためにこれからも私たちのそばにいてください。

羽鳥慎一(フリーアナウンサー):ドラえもんファンの人が、気になる場面挙げてくださいって言ったときに絶対出てくる場面が全部入っていて。数分でこの状態なので、100分はまずいですね。100分は持たないです。ハンカチじゃなくてタオルですね。今ので泣きますもん。3Dっていうと、また変なことしちゃって……みたいなのが全然なくって、面白いです。しずかちゃんの選択……大人がいろんな話をするきっかけになれる映画になりそうな感じがします。

前田敦子(女優):出木杉くんがカッコよかったです(笑)。相変わらずハンサムで、すぐわかりました。ラブストーリー……のび太君としずかちゃんはもちろんですけど、のび太君とドラえもんも友情のラブストーリーですよね。本当にお互い好きなんだなって。ジャイ子役もやらせていただいたので、ジャイ子もどうなるかすごい楽しみです。

森永卓郎(経済アナリスト):一番衝撃を受けたのは、しずかちゃんですね。今までのアニメのしずかちゃんで脳裏に焼き付いていて、20年ぶりにあったら結構ショック受けちゃうみたいな(笑)そんな感じ? 私フィギュア集めてるんですよ。フィギュアは全面変更を迫られるでしょうね。大体のび太みたいな男がしずかちゃんにモテるっていうのは、男の妄想として最大級の幸福なわけです。

ローラ(タレント):なんだろう? リアルになった分、なんかもっとドラえもんが近くにいる感じがして、あと、のび太君もあれ? なんか魅力的かも? って、ちょっと思っちゃった。なんかドラえもんとLOVEってイメージなかったから、でも、私ね、コレ絶対恋人とかと行きたい。デートでドラえもんってイメージなかったけど、これはすごい行きたい。

なお、10人のコメントを受けて山崎監督は「こんな段階から観てもらえて、期待されて嬉しいです。スタッフにとっても、これからの苦しい時期を乗り越えるための大きな励みになると思います。皆さんが応援して良かったと思える物になるよう頑張ります」と話している。

(C)2014「STAND BY MEドラえもん」製作委員会